2017 Fiscal Year Annual Research Report
Protective efficacy of the 5-aminolevulinic acid for cisplatin nephrotoxicity
Project/Area Number |
15K08604
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
山辻 知樹 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (40379730)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猶本 良夫 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00237190)
高岡 宗徳 川崎医科大学, 医学部, 講師 (50548568)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 5-アミノレブリン酸(ALA) |
Outline of Annual Research Achievements |
【臨床試験:新規腎障害予防補助法としてのALAの安全性の確立】胃癌の治療に広く用いられているシスプラチンは腎毒性が強く、これを防ぐための大量輸液および強制利尿が行われており、悪心・嘔吐などの有害事象と共に治療中のQOL低下を招く。5-アミノレブリン酸(以下5-ALA)はヘム化合物の前駆体として重要な物質で、多くの重要な生理作用を示す。ラットを用いたシスプラチン腎障害モデルにおいて5-ALAがシスプラチンによる血清BUNおよびクレアチニン上昇を抑制し病理学的尿細管障害を抑制することが報告された。我々はALAを用いて従来の大量輸液療法をQOLの面から凌駕し得る新規腎障害予防法を確立することを目指して臨床第I相試験を開始した。【主要評価項目】腎障害防止補助食品としての5-ALAの安全性,【副次的評価項目】腎障害抑制効果【対象】切除不能または再発の胃癌症例, プラチナ製剤に対して一次治療, PS 0-2, 3ヶ月以上の生存が期待される症例,主要臓器機能が保たれている,以上の適格基準を満たす症例を登録。【方法】TS-1 80 mg/m2 day1-21、CDDP 60 mg/m2をday 8に投与。5-ALAリン酸として300 mgをシスプラチン投与4日前のday4から16まで内服。CDDP投与時の輸液はショートハイドレーション法を実施。SP療法は最大6コースとし、安全性の評価(CTCAE version4.0)、外来移行可能と判断した率、相対用量強度(RDI)の算出を行う。【結果】2017年12月現在で8例登録された(男性6名 女性2例 年齢64-78歳 平均71.1歳)。ショートハイドレーション法に5-ALAを加えた切除不能・再発胃癌患者に対するSP療法において重篤な腎機能障害を含めGrade3以上の有害事象は認められていない。現在多施設共同研究として症例登録を進めている。
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