2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K08779
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
加藤 貴彦 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 教授 (70169506)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 前立腺がん / ヘテロサイクリックアミン / 食物摂取頻度調査票 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本人の前立腺がん発生に関わる分子栄養学的な特性を明らかにし、個人の生活習慣・体質に応じた前立腺がん予防法を樹立することである。すでに血液と詳細な食事摂取・ライフスタイルに関するデータセットをそろえた前立腺がん1,200症例、健常対照者1,350例の収集は終えている。計画している研究項目は次のようなものである。 1. 食物摂取頻度調査票を用いた食品目摂取量と栄養素摂取量(不飽和脂肪酸、カテキン、イソフラボン)、発がん性化学物質摂取量(ヘテロサイクリックアミン等)の推定 2. 脂肪酸代謝酵素、ホルモン代謝、ヘテロサイクリックアミン代謝関連酵素遺伝子群の遺伝子多型の解析 3.DNA修復酵素遺伝子多型の解析 4. 前立腺がん発生に関する遺伝・食事情報をもとに前立腺がん発生リスクモデルの構築 5. 前立腺がん発生予防のための分子栄養学的な健康指導法プロトタイプの作成 平成27年度には、以下の研究を実施し成果を得た。1. 食物摂取頻度調査票を用い、その調査票から発がん性化学物質摂取量(ヘテロサイクリックアミン)の推定を行った。2.ヌクレオチド修復酵素(XPC)遺伝子多型の解析 3.ホルモン受容体遺伝子であるエストロゲン受容体 1 (ESR1) と 2 (ESR2) それぞれの遺伝子多型、そして喫煙状況を含めて総合的に前立腺がん発生リスクに関する解析を行った。その結果、ESR2は前立腺がんの発症予測するための非常に重要な機能を有し、異なるSNPが異なる予測値を有することが示唆された。さらに喫煙がエストロゲン活性に影響を与え、エストロゲン受容体とともに前立腺がん発症リスクに影響を与える可能も示唆された (Environ Health Prev Med. 2015; 20:332-7) 。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
発がんの有力な原因化学物質の一つであるヘテロサイクリックアミン摂取の定量化が完成したこと。そして、前立腺がん発生リスクに関係すると考えられているホルモン受容体遺伝子に関する論文を公表できたたため。
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Strategy for Future Research Activity |
食物摂取頻度調査票による食品と栄養素の定量化を行っていく。同時に関連する遺伝子情報・遺伝子多型情報を収集していく。
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