2015 Fiscal Year Research-status Report
原発事故後の福島におけるマスメディア報道による健康不安への影響の検証とその対策
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15K08810
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
安村 誠司 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (50220158)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 健夫 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70217933)
佐藤 理 福島学院大学, 福祉学部 こども学科, 教授 (90107243)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 放射線 / 不安 / 健康影響 / 報道 / 情報 / マスメディア |
Outline of Annual Research Achievements |
次年度(平成28年度)の質問紙調査の理論的フレームワーク構築、質問内容の検討のため、マスメディアと住民への面接調査を行った。 マスメディアニ対しては、福島県内に支局を持つ全国メディアとして、NHK、読売新聞、朝日新聞、毎日新聞、また地元メディアは福島テレビ、福島中央テレビ、福島放送、テレビユー福島、福島民報、福島民友新聞の支局長、報道統括担当者に面接し、東京電力福島第一原子力発電所事故後の放射線に関する報道の意図、立場等について尋ねた。その結果放射線の影響の報道について、全国メディアと地元メディアの違い、事故後の時期による変化、また放射線被ばくによる健康影響の見方を大きい、小さいという、いわゆる両論併記を行ったこと、数社はその両論併記によって弊害があったのではないかと考えている事などが明らかになった。 住民に対しては、福島県民合計20人に、放射線に対する不安と報道・情報についての面接を行った。対象者の内訳は、男性11人、女性9人、年齢は30~60代、居住地は県北15人、県中2人、いわき、南相馬、東京(避難中)各1人である。避難経験の有無は、避難区域から6人、自主避難3人、避難無し11人である。原発事故後3か月までは男性2人を除き、共通して大きな不安を持っていた。また事故後4年以上経過した面接時にも、6人を除き不安を持ち続けており、その内容は、将来のがん発症、子どもへの健康影響、子孫への遺伝影響、将来の差別、偏見への不安等であった。情報、報道に関しては、伝達経路としてはテレビ、新聞に加えインターネット、SNSが利用され、二転三転する情報に振り回された経験や、それ以降情報、報道を批判的に受け止めるようになっていったこと、全国メディアと地元メディアの伝え方の違いに気づいたこと等が語られた。 27年度末には、これらの結果を踏まえて、次年度(平成28年度)実施する調査の質問紙を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
27年度中に予定していた面接調査を終えて、質問紙案を作成している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度においては、これまでの調査で明らかになった事を踏まえて、福島住民の不安、報道、情報に関する量的調査を実施する。まず予備調査として、福島市および飯舘村の住民12人に質問紙案による調査(プリテスト)を行い、この結果による質問紙の修正等を行う。 本調査は福島県の3地域(浜通り、中通り、会津)およびいわゆる避難地域から、各500人ずつ、合計2000人を無作為抽出し、郵送調査を行う予定である。次年度初めに倫理委員会の承認を得られるように、年度内に手続きを済ませてある。
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Causes of Carryover |
インタビュー対象者、研究補助アルバイトへの謝金・人件費が、予定額より支出しなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度実施の質問紙調査の対象者の、住民基本台帳による無作為抽出は、社団法人新情報センターに委託する。この委託費用が発生する。またこの他、本調査に先立つ予備調査に協力していただく方への謝礼、また研究協力者との打ち合わせ旅費や、学会発表における旅費などに、研究費を活用する予定である。
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