2019 Fiscal Year Annual Research Report
Epidemiology and cost analyses of preventable adverse drug events in pediatric inpatients
Project/Area Number |
15K08862
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
作間 未織 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (60349587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 剛 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (30378640)
井田 博幸 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (90167255)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 医療の質 / 薬剤関連エラー / 薬剤性有害事象 / 小児医療 / 費用分析研究 / 臨床疫学研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、全データの医師レビューを終えたのち、医師レビューを実施した3名の医師に加え、有害事象研究のエキスパートである医師1名を追加した計4名の医師により、イベントの最終評価及び同定のためのレビューディスカッションを行うと共に、徹底したデータクリーニングを行い、最終の解析用データベースを完成させた。 薬剤関連エラーおよびエラーによる薬剤性有害事象(Adverse drug events: ADEs)の分析と、エラーにより発生する費用の検討を行うために、全対象者のうち、重症度、治療歴、および患者背景の点で異なる集中治療病棟入院患者を除き、一般小児病棟入院患者907名を対象に解析を行った。入院期間中に一度でもエラーによるADEs、即ち、予防可能なADEsを経験した患者は全体の3-4%を占めており、交絡因子を調整して行った多変量解析の結果、この予防可能なADEsを経験した患者群では、経験していない患者群と比較して、入院期間が有意に14日間延長されたことが明らかとなった。これらの結果と厚生労働省のデータを合わせて解析したところ、本研究の対象者においては、予防可能なADEsにより入院期間が延長したために発生する総医療費は約2600万円と推定された。更に、日本の小児入院患者全体の医療費に及ぼす影響を概算すると、入院中に発生する予防可能なADEsにより費やされる医療費は、1年あたり約330億円となることが示唆された。 これらの結果から、予防可能なADEsを確実に予防する、又は早期にADEsを発見することで、その影響を緩和するための構造的な対策を講じることが、医療安全の観点だけでなく、医療費削減の観点からも喫緊の課題であることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)