2015 Fiscal Year Research-status Report
代謝性脂肪肝炎の基盤病態としての自然免疫・代謝連関と治療ストラテジー
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15K09023
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
池嶋 健一 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20317382)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山科 俊平 順天堂大学, 医学部, 准教授 (30338412)
今 一義 順天堂大学, 医学部, 准教授 (30398672)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 非アルコール性脂肪肝炎(NASH) / メタボリックシンドローム / 自然免疫 / NKT細胞 / アミノ酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
食・生活習慣の欧米化に伴い、我が国でもメタボリックシンドローム関連の非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)が増加しており、NASHからの肝発癌も問題視されつつある。本研究では、脂肪肝炎の発症・進展における肝内自然免疫系の機能的役割をより詳細に解析するとともに、腸管-肝臓機能連関や肝内自然免疫系をターゲットとした新規脂肪肝炎モデルの作成および実験治療的アプローチの検討を行うことを目的にしている。肝細胞特異的Pten-KOマウスは10週齢前後の幼若マウスですでに脂肪肝炎の病理像を呈し、30~50週齢で明らかな肝腫瘍形成を認める。そこでPten-KOマウスの肝臓から単核球分画を分離してFACS解析を行うとともに、肝組織中の各種サイトカイン発現レベルをリアルタイムPCR法で検証した。Pten-KOでは肝組織中のNK細胞およびNKT細胞分画が経時的に減少し、50週齢ではNKT細胞がほぼ枯渇してTh2系サイトカインであるIL-4およびIL-13の発現が著明に低下することが明らかになった。また、NKT細胞減少の一因として、Gr1+CD11b+ myeloid suppressor細胞の増加が関与している可能性が示唆された。一方、これまでに私たちの研究室ではアミノ酸の一種であるグリシンに脂肪肝炎進行抑制作用が認められることを明らかにしてきた。そこで、今回PTEN-KOマウスにおけるグリシンのケモプリベンション効果について検討を開始した。すでに脂肪肝炎が発症している25~30週齢のPTEN-KOマウスに20週間にわたり5%グリシン含有飼料を投与することにより、脂肪肝炎進展および腫瘍形成の抑制傾向が観察された。その作用メカニズムについて現在解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現有の脂肪肝炎モデルにおける肝内免疫系の異常に関する解析は概ね順調に行われており、また免疫栄養に基づく脂肪肝炎抑制および肝発癌抑止についても、当初の予測通りに結果が確認されてきている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度はアミノ酸の肝腫瘍形成抑制効果についてメカニズム解析を進めるとともに、マイクロバイオームの変化について検討する予定である。
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Causes of Carryover |
当初次年度以降の予定であった実験治療アプローチに関するモデル作成を先行実施し、初年度計画のマイクロバイオーム解析を次年度に繰り越したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
引き続き動物モデル作成およびその解析にかかる物品費に充当するとともに、マイクロバイオーム解析の委託を計画している。また、研究動向の調査および成果報告のため、学会参加にかかる費用を計上する。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Evidence-based clinical practice guidelines for nonalcoholic fatty liver disease/nonalcoholic steatohepatitis.2015
Author(s)
Watanabe S, Hashimoto E, Ikejima K, Uto H, Ono M, Sumida Y, Seike M, Takei Y, Takehara T, Tokushige K, Nakajima A, Yoneda M, Saibara T, Shiota G, Sakaida I, Nakamuta M, Mizuta T, Tsubouchi H, Sugano K, Shimosegawa T; Japanese Society of Gastroenterology; Japan Society of Hepatology.
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Journal Title
J Gastroenterol.
Volume: 50(4)
Pages: 364-77
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] Metabolic disease and NASH2016
Author(s)
Ikejima K, Kon K, Yamashina S, Watanabe S
Organizer
25th Conference of the Asian Pacific Association for the Study of the Liver
Place of Presentation
Tokyo
Year and Date
2016-02-23
Int'l Joint Research / Invited
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