2016 Fiscal Year Research-status Report
内在性リガンドが介在する癌と微小環境との相互作用を標的とした肺癌治療の開発
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15K09220
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| Research Institution | Osaka University |
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Principal Investigator |
木島 貴志 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (90372614)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南 俊行 大阪大学, 医学系研究科, 特任助教(常勤) (00705113) [Withdrawn]
小山 正平 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任助教(常勤) (80767559)
長 彰翁 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (20751390)
森村 治 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (80743765)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | 肺癌 / 微小環境 / 内在性リガンド / 無菌的炎症 / アポトーシス小体 / 腫瘍関連マクロファージ / 腫瘍関連線維芽細胞 / MyD88 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
1) 肺癌微小環境における無菌的炎症のトリガーとなるリガンドとセンサーの同定
H27年度には、抗癌剤処理で細胞死を誘導した肺癌細胞株の培養上清より回収したアポトーシス小体(AB)刺激が、MyD88依存性の経路を介した免疫担当細胞の応答を引き起こすことを明らかにした。H28年度は、この免疫応答がMyD88の上流のどのToll様受容体(TLR)による認識に基づくのかを解析するため、TLR2,4,7,9のKOマウスの骨髄由来Mφ(BMDM)を用いてAB刺激の応答を比較検討した。その結果、TLR2刺激がABの免疫原性に関与していることを見出した。
マウス肺癌細胞株LLC細胞成分由来でTLR2刺激性を有するversicanが腫瘍の増殖促進に関与するという報告があるため(Nature.2009;457:102-6)、現在MyD88KOマウスにLLCを移植し腫瘍環境の免疫プロファイル解析を行う予定で、動物実験施設にMyD88KOマウスを導入し繁殖中である。
さらに、肺癌患者由来の血清を用い、NFκBシグナル活性化を検出可能なTHP-1-X Blue細胞をレポーター細胞として各種サイトカインに限らず網羅的な炎症反応惹起能を評価できる手法を開発した。
2) 同定したリガンドとセンサーの腫瘍関連マクロファージ(TAM)および腫瘍関連線維芽細胞(CAF)における生物学的意義の検討
上記MyD88KOマウスが脆弱のため繁殖に時間を要しており、この間に野生型マウスを用いてスクリーニングのプラットフォーム作成を行った。野生型マウスにおいては、①フローサイトメトリーによる各種免疫細胞プロファイルの同定、②腫瘍組織中のサイトカイン測定、③NFκBシグナル活性化を検出可能なレポーターRAW細胞を用いた血漿自体の刺激性のスクリーニングが可能なことを確認した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の仮定とはやや異なる結果も出てはいるが、興味深い結果が得られており、研究を進めているところである。ヒトの血清を用いて網羅的に免疫惹起能を判定できるシステムを開発したので、来年度は臨床検体を用いたデータと臨床経過の関連も検討できると思われる。
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| Strategy for Future Research Activity |
H29年度は、
1)に関しては、現在繁殖中のMyD88 KOマウスにマウス肺癌細胞株LLCを移植し、腫瘍環境中のサイトカインや浸潤炎症性細胞のプロファイルの評価を行なう。さらに、H28年度に確立したNFκBシグナル活性化を検出可能なTHP-1-X Blue細胞を用いた網羅的な炎症反応惹起能を評価する手法を用いて、患者血清検体を解析し、治療抵抗や予後にこれらの炎症がどのように影響しているかについて評価を行う。
2)に関しては、H28年度に確立した解析プラットフォームを用いて、野生型 vs. MyD88KO LLC担癌マウスにおける腫瘍環境の比較検討、抗癌剤治療の有無による免疫プロファイルの変化などをTA解析する。TAMについては、野生型およびMyD88 KO LLC担癌マウスの腫瘍環境中のMφをソーティングし、トランスクリプトームをRNAシークエンスにより網羅的に解析する。
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| Causes of Carryover |
530円で適切な物品を購入できなかったから
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の予算として研究に必要な物品購入に使用する予定である
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