2018 Fiscal Year Annual Research Report
The mechanism for proximal tubular cyst formation by PC1 trafficking problem associated with ER dysfunction providing drug targets.
Project/Area Number |
15K09302
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Research Institution | Meiji Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
石橋 賢一 明治薬科大学, 薬学部, 教授 (80223022)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | アクアポリン / 多発性嚢胞腎 / マイクロアレイ解析 / 増殖因子 / 胸腺 / 小腸 |
Outline of Annual Research Achievements |
近位尿細管特異的多発性嚢胞腎のマウスモデル(AQP11ノックアウトマウス)を使って、ヒト多発性嚢胞腎(常染色体優性遺伝)の進行や発症を抑制する治療薬を開発するのが本研究の目的である(集合管嚢胞の進行をおさえるバソプレシン受容体阻害薬はあるが近位尿細管嚢胞の阻害薬がまだない)。 嚢胞腎で増加しているReg1(Lithostathine)という膵臓増殖因子が10倍に増加しているのを同定していたが、Reg1蛋白は膵β細胞の再生・増殖因子であることやReg受容体蛋白が細胞膜上に発現していることが報告されているので、腎臓での役割について検討する目的で、生後1週、2週、3週での腎でのReg1の発現部位をRT-qPCRで髄質と皮質に分けて定量検討した。マウスでは生後10日までネフロン形成が進むが、生後1週では皮質より髄質でのReg1の発現が多く、初期には近位尿細管以外の増殖に関わっていることが示唆される。生後2週や3週、さらには成獣では皮質に多く発現しており、最終的な近位尿細管の増殖・維持に関与していると考えられた。 AQP11ノックアウトマウスでは著明な胸腺の萎縮が見られており、AQP11が胸腺上皮細胞に発現していることから近位尿細管との類似について興味がもたれるので、マイクロアレイ解析を行った。PI3K-Akt シグナル経路に関与する遺伝子群の発現が増加し、PPAR シグナル経路に関与する遺伝子群の発現が低下していた。増殖系の増強は腎でのReg1誘導とも類似しており興味深い。 またAQP11ノックアウトマウスでは消化管上皮細胞の空胞変性がみられ、吸収障害によると考えられる成長障害がある。腎の近位尿細管と同様の吸収上皮である小腸でのAQP11の役割を推定する目的でAQP11の発現部位をみたところ空胞化細胞と一致していた。
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