2018 Fiscal Year Annual Research Report
Inflammatory monocyoid expression and epitope cloning of immunoglobulin in patients with IgG4-related disease
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15K09510
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
正木 康史 金沢医科大学, 医学部, 教授 (40238895)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河南 崇典 金沢医科大学, 医学部, 講師 (20350762)
中村 拓路 金沢医科大学, 医学部, 助教 (90725003) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 濾胞樹状細胞 / CD14 / リンパ濾胞形成 / ファージディスプレイ / ランダムペプチドライブラリー / 多クローン性高ガンマグロブリン血症 / 多施設共同前方視研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
IgG4関連疾患の治療については、多施設共同前方視治療研究を行い、ミクリッツ病を含むIgG4関連疾患のステロイド治療の奏功率、有害事象などにつき検討した。5年間で57例の登録予定で開始したが、4年間で61例の登録があり終了となった。臨床病理中央診断の結果、確診群は44例であり、準確診1例、疑診13例、否定3例であった。3例の脱落例を認めた。確診群44例では、完全寛解29例(65.9%)、全奏功率93.2%であった。特筆すべきは脱落以外の全例100%でステロイドが奏功した事である。prednisolone維持投与量の中央値は7mg/day(平均6.8mg)であった。本試験の結果を論文化し、前方視研究で得られた知見を元に症例蓄積を継続している。 病因病態解析としてのファージ・ディスプレイ型ランダム・ペプチド・ライブラリーによる発現クローニングでは、8種類の患者血清反応性クローンが得られたが、クローンのアミノ酸解析で既知のアミノ酸配列に相同性が乏しく、反応クローンは現時点では分析不可能であった。 IgG4関連疾患のTh2、Treg優位の上流の異常がリンパ球系以外の細胞の産生するサイトカインやケモカイン等にあると仮定し、病理組織学的に単球/マクロファージあるいは樹状突起細胞の存在と分布を検討した。IgG4関連疾患の典型的な組織では、リンパ濾胞胚中心部にCD14陽性細胞が存在するが、その他の疾患では、CD14陽性細胞のリンパ濾胞への分布は全く認められなかった。このCD14陽性細胞は濾胞樹状細胞(CD21)との二重染色の結果、濾胞樹状細胞がCD14を発現していると結論した。この所見が、IgG4関連疾患の病態形成において重要な鍵を握っていると考え、更にこれを深く追求する事とし、単球/マクロファージと、T細胞、B細胞、濾胞樹状細胞、PD-1, PD-1Lなどの免疫染色を追加し検索している。
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