2016 Fiscal Year Research-status Report
細胞エンドソーム内pH制御機構に基づいた鳥インフルエンザ感染メカニズムの解明
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15K09576
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
大道寺 智 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80432433)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 洋平 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50452462)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 鳥インフルエンザウイルス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、鳥インフルエンザウイルスの病原性の一端を明らかにするため、感染性を規定するウイルス遺伝子を解析する一方、ウイルス・宿主間の相互作用にも着目し解析することを目的としている。特にヒトの呼吸器上皮細胞から以前に申請者が樹立したウイルスに対して感受性の良い細胞と悪い細胞に着目し、詳細な解析を行った。 特に今年度はウイルスのヒト呼吸器に対する病原性について、より詳細に解析するために当教室で樹立したヒト呼吸器上皮細胞株について気相液相界面培養を実施し、分化誘導させた状態で感染実験させることを試みた。複数株あるヒト呼吸器上皮細胞株について、呼吸器上皮を形成する細胞のうち組織(形態)学的に異なる細胞種に由来している可能性を明らかにするために気相液相界面培養にて分化誘導を行い、細胞種を特徴づけるそれぞれの蛋白分子に対する抗体で染色を行った。その結果、株によって異なる分子マーカーを発現するものがあり、分化の様子が細胞株ごとに異なっている可能性があることがわかった。現在、気相液相界面培養の実施日数とこれら分子の発現パターンの変化について検討を行っている。また分化誘導後の細胞を用いて鳥インフルエンザウイルスを用いた感染実験を行い、その感染性・増殖性について評価し、特に液体培養時における感染実験で得られた結果との比較を行っている。今後はそれぞれ分化した細胞株において、細胞種とウイルス感受性との関係を中心に評価を行うことを想定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当教室で樹立したヒト呼吸器上皮細胞株を気相液相界面培養により分化誘導する技術が確立した。呼吸器上皮を形成する細胞のうち、複数の株で分化誘導でき、それらを用いてより詳細な解析が可能となったため。
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Strategy for Future Research Activity |
分化誘導させたヒト呼吸器上皮細胞株を用いてウイルス感染実験を行う。またH7ヒト分離株のH7鳥分離株のヒト呼吸器上皮細胞株に対する感染性に差を生んでいるメカニズムについて、細胞侵入後の膜融合過程に着目して解析していくこととする。
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Causes of Carryover |
当初の予定よりも実験がうまくいったので消耗品の購入量が若干減少したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記で生じた額は次年度の研究遂行に必要な物品費として使用する予定である。
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Research Products
(8 results)