2016 Fiscal Year Research-status Report
PETを用いた変時性不全における心臓交感神経β受容体密度に関する研究
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15K09966
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
後藤 利彦 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助教 (50596905)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 変時性不全 / β受容体密度 / PET |
Outline of Annual Research Achievements |
変時性不全とは、身体活動に対して心臓が心拍数を適切に調節できなくなってしまう病態のことである。通常は、運動強度に応じて心拍上昇が生じるが、運動の初期から心拍応答が低下している一群があり、これらが変時性不全として定義される。その存在は労作時の息切れなどの運運動耐容能の低下、すなわちQOL低下と密接な関連が認められており、心血管死や全死亡の独立した予測因子であることも判明している。従来、変時性不全の原因として心臓交感神経βアドレナリン受容体密度の低下(down regulation)の関与が示唆されてきた。本研究テーマ「PETを用いた変時性不全における心臓交感神経β受容体密度に関する研究」では、交感神経βアドレナリン受容体のリガンドである[C11]CGP-12177 をポジトロントレーサーとする心臓PET検査を用いて、他のモダリティでは証明困難な変時性不全におけるβアドレナリン受容体密度の変容を評価する。具体的には、運動負荷試験において変時性不全の基準を満たした症例と、年齢、性別を合致させた変時性不全を伴わない対照症例を対象とし、これらにおいて心臓交感神経βアドレナリン受容体密度を測定し、両群間で比較検討を行うことをその手法としている。これまでのところ、予備的な解析において2群間の心臓交感神経β受容体密度に統計学的な有意差を認めており、変時性不全と心臓交感神経βアドレナリン受容体密度との関係を明らかにしつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PETの撮像を、PET施設である名古屋市総合リハビリテーションセンターで開始した。現在、変時性不全群および対象群ともに順調に症例を積み増している。
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Strategy for Future Research Activity |
可能な限り症例を蓄積し、本研究の結果をより確実なものとしたい。
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Causes of Carryover |
本研究テーマであるCGPをトレーサーとしたPET撮像の割り当て回数が現在のペースで最大であったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現在のペースで症例をこなしていくことで研究テーマを完遂する予定である。
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