2016 Fiscal Year Research-status Report
核磁気共鳴エラストグラフィーによる頭蓋内腫瘍の弾性率の解析
Project/Area Number |
15K10359
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
酒井 直人 浜松医科大学, 医学部附属病院, 特任研究員 (20550172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹原 康雄 名古屋大学, 医学系研究科, 寄附講座教授 (70188217)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | MR Elastography / intracranial tumors / stiffness / consisitency / meningioma / pituitary adenoma / vestibular schwannoma / glioma |
Outline of Annual Research Achievements |
頭蓋内腫瘍の弾性率は病変が頭蓋骨に囲まれていることから非侵襲的に評価することは困難で、これまで弾性率の観点から頭蓋内腫瘍の病理組織学的特性が検討されたことはなかった。 核磁気共鳴エラストグラフィー(magnetic resonance elastography: MRE)は生体を外部から振動しながら撮影し、内部組織に伝わるせん断波の伝播速度を画像化して弾性率を導き出す画期的な方法で、非侵襲的に生体内臓器の弾性率を画像化することが可能である。既に肝炎後の線維化の評価に臨床で用いられている。我々は肝臓用に開発されたMREの振動装置が頭部にも利用できることを見出し、頭蓋内腫瘍のMREの撮影を行った。本研究ではMREを用いて頭蓋内腫瘍の弾性率の評価を行い、病理組織学的特性との関連を明らかにした。 【腫瘍摘出術における腫瘍硬度の評価とMREによる弾性率との比較】 腫瘍摘出術に際して腫瘍硬度を5段階に分類して評価する:1.soft, 2.mostly soft, 3.intermediate, 4.mostly hard, 5.hard (Murphy MC et al.J Neurosurg, 2013,118:643-48)。これらの5段階評価とMREによる弾性率を比較検討する。 脳神経外科手術においての腫瘍な4つの頭蓋内腫瘍:髄膜腫、下垂体腺腫、前庭神経鞘腫、グリオーマについてMREを術前に測定し、術中の腫瘍硬度との相関を調べた。その結果、術後のMREによる弾性率と術中の腫瘍硬度には統計学的に有意な相関がみられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
脳神経外科手術においての腫瘍な4つの頭蓋内腫瘍:髄膜腫、下垂体腺腫、前庭神経鞘腫、グリオーマについてMREを術前に測定し、術中の腫瘍硬度との相関を調べた。その結果、術後のMREによる弾性率と術中の腫瘍硬度には統計学的に有意な相関がみられた。 この結果は論文にて投稿し発表された:N. Sakaim Y. Takehara, S. Yamashita et al.Shear Stiffness of 4 Common Intracranial Tumors Measured Using MR Elastography: Comparison with Intraoperative Consistency Grading. Published June 23, 2016 as 10.3174/ajnr.A4832
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Strategy for Future Research Activity |
弾性率に関連した病理組織学的特性の検討 摘出した頭蓋内腫瘍の標本から未染のプレパラートを作成し、弾性率に関連すると考える細胞外マトリックス関連蛋白(laminin, fibronectin, type Ⅳ collagen etc)、細胞外マトリックス分解酵素( matrix metarlloproteinase etc.)、血管内皮細胞などを免疫組織染色の手法を用い、MREから得られた弾性率との関連を解析する。
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Causes of Carryover |
当初の予定よりも研究費がかからなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
MREの弾性率と病理学的検索に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)