2017 Fiscal Year Research-status Report
脊椎内視鏡手術のための次世代ナビゲーションシステムの開発
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15K10418
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
中尾 慎一 和歌山県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (90405431)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 手術シミュレーター / 脊椎内視鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
脊椎後方内視鏡手術は患者への侵襲が小さいという利点がある反面、その極端に小さい術野とカメラが斜視鏡であることから、術中のオリエンテーションを把握するのが困難であるという問題がある。我々は、脊椎ナビゲーションシステムから内視鏡カメラ、処置具の位置情報を我々が開発した手術シミュレーターにリアルタイムに送ることで、内視鏡手術の術野画面とシミュレーターの仮想内視鏡画面を同時に表示することを考えている。それにより、解剖学的な位置確認ができると同時に、手術の進行とともに仮想内視鏡でも骨切除がすすんでいくことで骨切除量を確認しながら手術を進めることができるようになる。本研究の目的は仮想内視鏡ナビゲーションの開発をおこない、その有効性を検討することである。当初の平成29年度の計画としては平成27-28年度で得られた結果を国内外に向けて発信することであり、脊椎内視鏡教科書、整形外科雑誌への依頼原稿の執筆をおこない、それぞれ出版されたことにより、一部はできている。また仮想内視鏡ナビゲーションについては、現在の計画では実際の手術内視鏡と仮想内視鏡の2画面を見ながら手術をすることになるが、それを1つの画面に合成することにより、実際の内視鏡画面に骨切除部位を表示させてその通りに骨切除をおこなうこと、神経が露出するまえに神経の走行部位を表示させることも試みることを計画していたが、ソフトの改良、モニターの調整などについて、技術提供をおこなってもらっていたパナソニックメディカルソリューションズとの共同研究が打ち切られたため、まだ実現できていない。しかしながら、全国有数の脊椎内視鏡手術施行数の病院に勤務移動し、さらに症例の情報を集めるとともに、MEDシステムの内視鏡のみではなく、PEDシステムの画像歪み、視野を測定し、PEDシステムへの応用への研究もおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
大学病院から一般病院に異動したことで、大学での研究頻度が減少していることは一因である。しかしながら、現在の勤務先は、脊椎内視鏡手術件数において、全国有数の病院であり、データを収集しながら、今後さらにシミュレーターの応用展開を考えていく。
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Strategy for Future Research Activity |
研究成果を国内外に発表していく。さらに内視鏡画像にシミュレーター画像を重畳させて、術者の視線を他のモニターに向けずに手術を進行させることができる画像支援システムのための基礎研究も合わせておこなっていく。そして、シミュレーター、ナビゲーションに重畳させるCT、MRIを利用した神経組織の抽出がより容易にできるようなシステムを考えていく。
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Causes of Carryover |
昨年4月に大学病院から民間病院に転勤となり、大学の研究施設に通勤できる日数が減ったため、実験環境を整える必要があった。現在、全国有数の脊椎内視鏡手術を行っている勤務先の利点を生かすため、シミュレータを持ち込み、データ収集を行っている。さらに当初は計画していなかった、経皮内視鏡での画像特性も測定し、経皮内視鏡でもシミュレータを使った研究を実施しており、これらの研究を次年度も継続して行う。
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