癌関連糖鎖抗原を介した転移性骨腫瘍の骨破壊進展メカニズムの解明と阻害効果の検討

2016 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 15K10427
• Research Institution: Hokkaido University
• Principal Investigator: 新井 隆太 北海道大学, 大学病院, 助教 (40722509)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 岩崎 倫政 北海道大学, 医学研究科, 教授 (30322803) ; 高畑 雅彦 北海道大学, 医学研究科, 講師 (40374368)
• Project Period (FY): 2015-04-01 – 2018-03-31
• Keywords: 癌糖鎖抗原 / 癌認識分子 / 免疫受容体 / 破骨細胞 / 転移性骨腫瘍 / 骨巨細胞腫

Outline of Annual Research Achievements

近年、破骨細胞の分化活性化には第3の経路として免疫受容体群を介した制御機構が存在することが明らかになっている。研究代表者らは免疫受容体シグレック15とシアリル糖鎖が破骨細胞の分化を促進し生理的な骨リモデリングに関与することを明らかにした。本研究では、腺癌骨転移病変又は骨巨細胞腫における骨破壊にシアリルTnとシグレック15を介する破骨細胞誘導が関与するという研究科説を立証し、臨床応用への可能性を明らかにすることを目標とする。
1. 培養細胞を用いた癌糖鎖抗原シアリルTnによる破骨細胞分化、活性化能の検討：乳癌細胞株にシアリルTnを発現させ、破骨前駆細胞との共存培養系で破骨細胞の分化誘導や骨吸収能の変化を明らかにした。共培養系でコントロール群に比べて破骨細胞分化誘導に差があることを確認した。
2. 癌糖鎖抗原発現による癌細胞株の骨転移、骨破壊の変化の検討：In vivo動物モデルにおいて乳癌細胞株による骨破壊モデルを構築した。
3. 臨床病理組織におけるシアリルTn/シグレック15と溶骨性転移性骨腫瘍の関連解析：In vivo動物モデルにおいてシアリルTnやシグレック15に対する抑制因子を用いた骨破壊抑制の有無を検討した。
4. 臨床病理組織におけるシアリルTn/シグレック15と溶骨性転移性骨腫瘍の関連解析：シグレック15抗体で骨巨細胞腫の標本を免疫化学染色し、良好な染色像が得られた。
上記4項目について研究を行い、骨破壊モデルの構築、免疫染色像を確認した。

Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

1. 培養細胞を用いたシアリルTnによる破骨細胞分化、活性化能の検討
2. 癌糖鎖抗原による癌細胞株の骨転移、骨破壊能の検討
3. 癌糖鎖抗原による転移性kつ腫瘍・骨巨細胞腫の骨破壊抑制効果の検討
4. 臨床病理組織像におけるシアリルTn/シグレック15の関連解析
上記4項目について概ね実験結果を得ている

Strategy for Future Research Activity

1. 培養細胞を用いたシアリルTnによる破骨細胞分化、活性化能の検討
2. 癌糖鎖抗原による癌細胞株の骨転移、骨破壊能の検討
3. 癌糖鎖抗原による転移性kつ腫瘍・骨巨細胞腫の骨破壊抑制効果の検討
4. 臨床病理組織像におけるシアリルTn/シグレック15の関連解析
上記4項目について、更に検討していく。