2017 Fiscal Year Annual Research Report
A study for the mechanism of postoperative congnitive dysfunction and development of prevention method
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15K10533
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
高澤 知規 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (30400766)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 術後認知機能障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、昨年に引き続き、老化促進マウスであるSenescence Accelerated Mouse-Prone 8(SAMP8)とコントロールマウスSAMPR1を用いて術後モデル動物を作成し、自発行動量と空間作業記憶を評価できるY maze testにより、抗菌薬のミノサイクリンに術後認知機能障害(postoperative cognitive dysfunction, POCD)の予防効果があるかを調べた。本年は特に、麻酔のみを実施した群を追加し、SAMP8においてPOCDは麻酔よりも手術による侵襲により引き起こされること、ミノサイクリンにPOCDの予防効果があることを発見した。SAMR1ではPOCDが起きづらかった さらに、2種類のマウスによる行動実験の差が血液中のサイトカイン量の差によるものではないかという仮説を立て、術後1日目と7日目の血液中のTNF-αの濃度をELISA法により測定した。SAMP8ではミノサイクリンによって術後1日目のTNF-α濃度の上昇が抑制された。一方、SAMR1ではその現象は観察されなかった。これらの結果により、SAMP8においてミノサイクリンは血液中のサイトカイン濃度を低下させPOCDの予防効果を発揮することが示唆された。 膝関節全置換術(TKA)を受ける患者を対象として、ミノサイクリンが術後の認知機能に与える影響を調べるMINPOC-Jトライアルは、予定数のデータ取得がほぼ終了し、解析の準備段階にある。
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Research Products
(2 results)