2017 Fiscal Year Annual Research Report
Novel therapeutics for macrophage-driven inflammatory diseases via nicotinic acetylcholine receptor signaling
Project/Area Number |
15K10563
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
岸岡 史郎 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (60137255)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
雑賀 史浩 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (10644099)
深澤 洋滋 関西医療大学, 保健医療学部, 准教授 (70336882)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | マクロファージ / ニコチン受容体 / α4β2 / サイトカイン / ケモカイン / 神経炎症 / STAT3 |
Outline of Annual Research Achievements |
坐骨神経部分結紮による神経障害性疼痛モデルマウスを用い、マクロファージの機能的意義ならびにニコチンシグナルによるマクロファージ制御機構について検討を行った。フローサイトメトリー解析により、CD11b陽性細胞の傷害坐骨神経への浸潤が認められた。CD11b陽性細胞中におけるF4/80陽性マクロファージの割合は継時的に増加し、傷害14日後においては約75%に達していた。炎症性(M1)マクロファージのマーカー分子であるinterferon regulatory factor 5(IRF5)の傷害坐骨神経における発現は、傷害1日後から14日以降まで長期的に増加していた。一方で、抑制性(M2)マクロファージのマーカー分子であるIRF4の傷害坐骨神経における発現変化は軽微であった。傷害神経に浸潤するマクロファージにはニコチン受容体α4β2サブタイプが発現していることも同時に確認した。そのアゴニストを傷害坐骨神経周囲に局所投与すると、F4/80陽性マクロファージにおけるIRF5の発現が減少し、機械的アロディニアや熱痛覚過敏といった神経障害性疼痛症状が抑制された。またマウスの腹腔より回収したマクロファージの培養系においても、リポ多糖誘発性の炎症性サイトカイン・ケモカインの発現増加がα4β2サブタイプ特異的アゴニストの処置により抑制された。その分子基盤として、α4β2サブタイプの下流シグナルがJak2-STAT3経路を抑制することも明らかにしている。これらの結果より、ニコチン受容体α4β2サブタイプを介したシグナルはM1マクロファージを抑制し、神経障害性疼痛などの慢性炎症性疾患を改善することが示唆される。
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Research Products
(4 results)