2017 Fiscal Year Research-status Report
マウス腎移植モデルによる抗体関連型拒絶反応と抗CD20モノクローナル
Project/Area Number |
15K10648
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
石井 大輔 北里大学, 医学部, 講師 (10327413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 一成 北里大学, 医学部, 教授 (10174921)
川村 瑞穂 北里大学, 医学部, 助教 (20623135)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 腎臓移植 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウスモデルによる腎臓移植後の生着期間の観察、拒絶移植片の病理学的解析および抗CD20モノクローナル抗体および抗TNFα抗体の投与による生着期間の延長を確認し投与方法や投与後の抗ドナー抗体の経時的変化を観察することにより効果的な使用方法と免疫細胞の浸潤等やB細胞による液性拒絶以外の抗原提示細胞能力の減弱による移植片の拒絶および生着延長効果の解析を行うことを目的として移植モデルの手術手技確立をおこなっている。実験の基本モデルの手術手技はマウスの左腎臓を大動脈とともにen-blockに摘出し、レシピエントの左腎摘出後に腹部大動脈と下大静脈に吻合をおこない1週間後に対側腎の摘出をおこない生存を確認することで生着とし、A/Jマウス(H-2a)からC57BL/6(H-2b)マウスへのMHC Full-Mismatchの 腎移植をおこなう。現在までに約1000例のマウス腎移植を施行しており2つの同種腎移植術では腎臓は100日以上にわたり生着することを確認している。 A/JマウスからC57BL/6/CCR5-/-マウスへの腎移植をおこない抗体関連型拒絶が腎移植モデルでの確認ができないようであれば心臓移植モデルへの変更を考慮するとしていたが、腎臓の移植手技が安定しておらず手技の確立を目指しているものの、心臓移植、腎臓移植ともに現在手技安定を目指している。手技の安定には一定の手術を定期的に行う必要があるが、手術に費やせる時間が難しく手技が安定していない。心臓移植、皮膚移植等で代替も可能と考えるがすでにおこなわれている研究でもあり、可能なかぎり腎臓移植での研究継続をおこないたいと考える。 代替案としてマウスの皮膚移植をおこない拒絶の有無、免疫寛容やAccomodationの確認、検討するなど、皮膚移植に関しての手技は安定している。移植の手技安定を目指しマウスの移植手技の修練中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
マウスの腎臓移植モデルの手術手技確立が遅れている。血管吻合部からの出血、静脈吻合の狭窄、尿管吻合の狭窄による水腎症などが解決していない。心臓移植手技に変更して確立を目指しているが心臓移植手技の確立も移植数の少なさから安定したモデル作成に至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
1)手術手技の安定化を目指して集中的に術数の増加を目指す。 安定した手技が確立した場合は抗CD20モノクローナル抗体、抗TNFα抗体投与後に生着率が向上することが確認された後、レシピエントの腎臓の病理学的な検討、単体での投与による病理学的変化の確認にそれぞれでの血液中のDSAの変化の確認をおこなう。 2)生着期間中にドナーの皮膚移植をおこない拒絶の有無を確認し免疫寛容やAccomodationの確認をおこなう。①皮膚移植後の皮膚組織のC4d染色および解析②拒絶モデルにおける脾細胞の抽出をおこないリンパ球によるELISPOT(INFγ、IL4)の解析③抗体の測定をおこなうとともにフローサイトメーターによる移植腎内のB cell 浸潤の検討をおこなう④B細胞の抗原提示能力についてノックアウトマウスを使用して検討する。
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Causes of Carryover |
研究が計画通りに進行しておらず研究期間の延長を申請して受理されている。今後のマウス購入費、手術器具購入費、マウス飼育費、薬剤購入費などに使用予定である。
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