2015 Fiscal Year Research-status Report
ゲノムDNAメチル化修飾を指標とする子宮内膜症の診断分子マーカーの探索
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15K10670
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
伊澤 正郎 鳥取大学, 医学部, 特任教授 (50032222)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 文紀 鳥取大学, 医学部, 准教授 (40322218)
原田 省 鳥取大学, 医学部, 教授 (40218649)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 子宮内膜症 / エピゲノム異常 / ゲノムワイドメチル化解析 / 特異的DNAメチル化領域 / 遺伝子発現 / 診断分子マーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
先行研究(Izawa et al. 2008, 2011, 2012, 2013)は、子宮内膜症に特徴的なゲノムDNAメチル化修飾と遺伝子発現の関連を示唆した。その検証のため、網羅的ゲノムDNAメチル化解析による予備研究を実施し、93遺伝子上の1,811箇所に子宮内膜症細胞に特徴的なゲノムDNAのメチル化修飾を同定した。本研究計画は、これらのゲノムDNAメチル化修飾と遺伝子発現との関連を精査し、子宮内膜症の診断分子マーカー候補として応用展開できるメチル化領域を選別抽出することを目標とした。本年度は、予備研究により同定しているGATA6遺伝子のメチル化修飾と遺伝子発現との関連について焦点を絞り、以下の①~④ の研究を実施した。 ① 子宮内膜症患者由来間質細胞初代培養の調製:鳥取大学医学部附属病院女性診療科を受診し、同意の得られた子宮内膜症患者のチョコレート嚢胞より組織片を分離して子宮内膜症細胞を調製して用いた。②子宮内膜症細胞のDNA、RNA、細胞全蛋白を調製した。③子宮内膜症細胞におけるGATA6遺伝子の発現解析:qPCRによる定量、プロモーター解析、ウエスタン解析、免疫細胞組織染色により検討した。④遺伝子発現へ及ぼすGATA6遺伝子メチル化の影響を検討するために、GATA6遺伝子内に同定したハイポメチル化領域のについてChIPーseq解析を計画した。予備的ChIP解析は実施できたが、ChIP-seq解析までには至らず、次年度へ持ち越しとなった。 以上の研究は、子宮内膜症に特徴的なゲノムDNAメチル化を診断分子マーカーとして開発する第一歩である。同時に、ゲノムDNAメチル化と遺伝子発現との関連の有無を精査し、子宮内膜症病態のエピゲノム異常(Izawa et al. 2008)の全容を知る第一歩でもある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
子宮内膜症細胞のGATA6遺伝子内に同定したハイポメチル化領域のについて、ChIPーseq解析を計画した。しかし、予期しなかった経済変動等により、受託解析の遅延と解析関連諸費用の高騰が重なり、当初計画を次年度へ繰り越すこととなった。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度へ持ち越したGATA6遺伝子のChIPーseq解析は、GATA6標的ゲノム領域を網羅的に解析する強力なツールであると考える。ひきつずき実施に向けた検討を継続する。当初計画どおりChIPーseq解析が進まない時は、、計画をコンベンショナルChIP解析に変更して実施する。
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Causes of Carryover |
平成27年度に計画した「遺伝子発現へ及ぼすGATA6遺伝子メチル化の影響解析」課題の実施に於いて、予期しなかった経済変動により当初計画したChIP解析の受託解析経費の高騰が予測され、前倒し支払い請求して経費を手当した。しかし、研究計画の実施が遅延したため、次年度使用額が生じる結果となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度は、上述した平成27年度の研究計画を継続展開するため、次年度使用額を使用する。
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Research Products
(3 results)