2016 Fiscal Year Research-status Report
高解像度内圧計を用いた嚥下リハビリテーション手技に関する基礎的・臨床的研究
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15K10812
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
鮫島 靖浩 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (50206009)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 高解像度咽頭食道内圧計 / インピーダンス |
Outline of Annual Research Achievements |
嚥下障害のリハビリテーション手技に関して、高解像度咽頭食道内圧計(MaonScan)を用いてその理論的根拠について検討してきた。28年度は全く新しい評価方法として、嚥下時の電気的インピーダンス(IMP)について検討した。嚥下機能評価におけるインピーダンスの測定は主に食道領域で行われてきた。IMPは2つの電極間の電圧と電流の比で表わされ電気的伝導性と反比例する。唾液や食物、消化液などの液体の伝導性は高いためIMPは低くなり、空気の伝導性はほぼゼロであるためIMPは高くなり、筋層はその中間となる。このため、嚥下した物質の性状や残留(クリアランス)について知ることができる。ペアリング電極により、通過速度やクリアランスにかかる時間、逆流についてもわかる。 嚥下機能評価のため高解像度マノメトリーを測定した時に同時記録したIMPを解析し、嚥下機能評価における有用性について検討を行った。嚥下物は、IMPが最も低い生理食塩水を用いて検討した。健常成人では食道入口部圧が平圧化した部分にIMPが低下した部分が認められた。食塊の通過を示すIMPの低下は嚥下圧のピークの前にみられ、重力による落下と嚥下圧により食塊が押し込まれている部分と思われた。一方、嚥下障害例では圧のピークの後にIMPが低下した部分があり残留を疑う所見がみられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新しい評価方法として、嚥下時の電気的インピーダンス(IMP)について予備的な検討を行い評価法として有用なことが分かった。高解像度マノメトリーを測定した時に同時記録したIMPを解析にて、健常者において通過速度や残留について評価の可能性が示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
健常者における嚥下において高解像度咽頭食道内圧計を用いた嚥下圧の伝搬速度と電気的インピーダンス(IMP)測定により明らかとなる食塊の通過速度について検討し、IMP測定が嚥下の新しい評価方法として有用であることを明らかにする。
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Causes of Carryover |
診療のため研究時間が不足して購入できなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の消耗品に使用する予定。
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