2015 Fiscal Year Research-status Report
眼表面ムチン機能とオキュラーサーフェス疾患に関する分析研究
Project/Area Number |
15K10882
|
Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
堀 裕一 東邦大学, 医学部, 教授 (70379171)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 眼表面ムチン / 分泌型ムチン / 膜型ムチン / 水濡れ性 / バリア機能 / 摩擦軽減 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、眼表面ムチンの機能である、水濡れ性、バリア機能、摩擦軽減についてそれぞれ評価を行う実験系を構築し、実際にムチンの眼表面における機能を評価することである。現在までに以下の研究を行った。 〇眼表面の水濡れ性に関する検討 接触角計を用いてハードコンタクトレンズおよびソフトコンタクトレンズの表面の水濡れ性の評価を行った。コンタクトレンズ表面に1.0マイクロリットルの液滴を滴下すると非常に速い速度で液滴が広がるため、0.1秒ごとに継時的に接触角を測定しブロットした。特にソフトコンタクトレンズは形状が安定しないため、実験系の構築に時間がかかったが、安定した計測を行うことが可能となった。コンタクトレンズの表面加工および材質の違いにより接触角に違いがあり水濡れ性が異なることが明らかになった。ムチン溶液をコンタクトレンズ上に滴下すると濃度依存的に接触角が小さくなることが明らかになった。 上記の同様の実験を、涙管チューブの素材となっている高分子ポリマープレートを用いて行った。同様にムチン溶液を滴下すると接触角が小さくなることが明らかになった。また素材にポリビニルピロリドン(PVP)による表面加工を行ったものと行っていないものとを比較すると表面加工の違いによりムチンによる水濡れ増加の効果が異なることが明らかになった。 〇眼表面の摩擦に関する検討 摩擦計をもちいてコンタクトレンズ上の摩擦係数を測定する実験系を作成した。様々なコンタクトレンズ上の摩擦係数を安定して計測することが可能となった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
接触角測定の実験系が完成したことと、眼表面摩擦を評価する実験系を構築しつつある。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在、先行研究でコンタクトレンズ装用における装用感と涙液破壊時間、眼表面温度との相関をみる研究を行っている。この結果と、現在進行中の接触角測定および摩擦係数測定との関連をしらべる研究を行っていく予定である。そのためには、豚眼などを用いてよりvivoに近い実験系の構築を行う。
|
Causes of Carryover |
所要額に比べて111,468円下回ったが、これは次年度の設備費に使用するために昨年12月以降は科研費での使用を控えたためである。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、設備費で検査機器(摩擦計)の購入を予定している。
|