2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K10906
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
山口 剛史 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (20383771)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗原 俊英 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任講師 (50365342)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 角膜移植 / 角膜内皮細胞 / サイトカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、前房水サイトカインの測定を240眼で行った。その結果、水疱性角膜症を発症している症例だけでなく、角膜内皮細胞が減少している症例においても、IL-1α、IL-8、IL-17A、TNF-α、GM-CSF、MIP-1α、IFN-γ、 E-selectinの濃度が上昇していることが分かった(Yamaguchi T, et al. IOVS 2016)。さらに、角膜内皮細胞密度がある種のサイトカイン濃度と有意に相関することがわかった(Yaguchi Y, Yamaguchi T et al. Scientific Reports under revision)。また、興味深いことに、前房水サイトカイン濃度は虹彩損傷の重症度と相関することがわかった(Aketa N, Yamaguchi T et al. IOVS in press)。また、重症度眼表面疾患であるスティーブンスジョンソン症候群などで、前房水サイトカイン濃度が非常に高くこれが若年性の併発白内障や緑内障の発症に寄与していることが示唆された(Aketa N, Yamaguchi T et al. Under review)。さらに、仮説していた通り、角膜移植後の角膜内皮細胞密度と術前前房水IL-10, IL-12p70、IFN-γ、MCP-1濃度が相関することがわかった(Yaguchi Y, Yamaguchi T, et al. AJO under revision)。これらの仕事を通じて、角膜移植後の失明の最も多い角膜内皮細胞の減少に術前からの前房内環境が大きく関与することが証明された。平成29年には、長期の角膜内皮細胞密度への影響と角膜移植後の拒絶反応に関与する因子を前房内サイトカインの視点から、トランスレーショナルな観点から研究を全力で推進する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
さらに長期成績との関連を研究し検証していく必要があるが、仮説通りの結果(前房内サイトカインが角膜内皮細胞密度の減少に関与する)が6か月という短期成績で得られているため。
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Strategy for Future Research Activity |
前房内環境の変化が角膜移植後の予後に関与することを世界に先駆けて、証明できた。 この知見は、角膜移植の予後を改善していくうえでインパクトが大きいと信じている。 さらにこの研究を推進するには、あと200万円ほどの研究費が必要だが、前房水タンパクの網羅的解析が早期に必要であり、個人的にも競争的公的・準公的研究費の獲得にむけて全力で取り組んでいるが、日本学術振興会にも引き続き研究支援をお願いしたい。
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Causes of Carryover |
研究は予想以上に推進したが、まだ掲載予定中の論文の掲載料の請求がでていないため、その他の部分が予算より少なくなってしまったが、平成29年度にその請求がくるため、繰り越しする必要がある。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
論文掲載予定(Investigative Ophthalmology and Visual Science)での掲載料1500ドルが平成29年4月中に請求されるため、繰り越しの必要がある。
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Research Products
(2 results)