2017 Fiscal Year Research-status Report
出血性ショック後の臓器障害に与える一酸化窒素吸入の効果に関する研究
Project/Area Number |
15K10975
|
Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
御室 総一郎 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (90464114)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 孝澄 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (80204478)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 一酸化窒素 / 出血性ショック |
Outline of Annual Research Achievements |
出血性ショックの重症化に一酸化窒素(NO)が深く関与している。出血性ショック初期は生体内のNOの不足による炎症の誘導、晩期では生体内のNOの過剰産生により重症化が起こる。NOドナーやNOS阻害薬の経静脈的投与によりNOの産生をコントロールすることが試みられているがまだ臨床応用されたものはない。つまり現在それに対する有効な治療法はないといえる。NOを吸入させることで初期の不足を補い、晩期のNOの誘導を止めることができれば有用であると考え検討を行ってきた。 検討の結果、出血性ショックに出血性ショックに対して一酸化窒素(NO)を吸入させると生存率が延長することがわかった。また吸入NOによって下大静脈内のNOx濃度が上昇することが分かった。早期のNO産生低下に対して血行動態を維持可能な濃度のNO吸入で微小血流を改善し臓器を保護する可能性が示唆された。対照群において、ショック早期は出血性ショックによってNOxの産生が低下した。これにより生存率が低下した可能性が考えられ、NOを吸入させることで臓器保護、生存率が改善した可能性があることが分かった 現時点では、NO吸入した出血性ショックラットは非吸入群よりも生存率が高かった。この機序についてはまだわかっていない これにより手術における大量出血の際にNOの吸入を行うことが実用化できれば、術後の臓器不全による集中治療の長期化を防ぐことができれば、より安全な周術期管理や集中治療管理が可能となる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
出血性ショックにおける吸入NOの有用性の検証は行うことができた、またその機序についての検証を行っている段階である
|
Strategy for Future Research Activity |
出血性ショックにおける吸入NOの有用性の検証は行うことができた、またその機序についての検証を行っている段階である
|
Causes of Carryover |
当初の計画が、測定機器の不具合の修理により遅くなってしまった。表題の機序の解明のための研究費用として必要となった(計画)ラットによる検体処理をおこないデータ整理を行う予定である
|
Research Products
(1 results)