2017 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of novel therapy with hydrogen gas inhalation for traumatic brain injury
Project/Area Number |
15K10982
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
藤田 基 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (50380001)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮内 崇 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (40380000) [Withdrawn]
小田 泰崇 山口大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (40397998)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 頭部外傷 / オリゴデンドロサイト / 水素吸入 / 軸索損傷 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、昨年度同様ラット頭部外傷モデルとしてLateral Fluid Percussion (LFPI)モデルを用いた。治療介入として、LFPI作成後に生理食塩水投与、水素吸入、グリチルリチンの静脈内投与、または、水素吸入およびグリチルリチンの静脈内投与の併用を行い、24時間後に脳組織を潅流固定した。脳切片を作成し、軸索損傷のマーカーであるamyroid precursor protein (APP)とアポトーシスのマーカーであるcleaved caspase-3の免疫染色を行った。 軸索損傷に関して、水素吸入群およびグリチルリチン投与群では、生理食塩水群に比べAPPの抑制効果を認めた。水素吸入+グリチルリチン群において、さらなるAPP抑制効果を認めた。 アポトーシスに関して、生理食塩水群の脳梁において脳梁部に一致してcaspase-3陽性細胞を認めた。Cleaved caspase-3とオリゴデンドロサイトのマーカーであるAPCの共染色を行ったところ、脳梁部でcleaved caspase-を発現している細胞がオリゴデンドロサイトであることを確認した。水素吸入群およびグリチルリチン投与群では、生理食塩水群に比べ脳梁部のcaspase-3陽性細胞数に差は認めなったが、水素吸入+グリチルリチン群においてはcaspase-3陽性細胞数は低下していた。 以上の結果から、頭部外傷後の水素吸入療法とグリチルリチンの併用療法が軸索損傷を抑制し、軸索をメンテナンスするオリゴデンドロサイトのアポトーシスを抑制することが明らかになった。水素吸入療法と薬物療法の併用により頭部外傷保護効果が期待できるといえる。
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