2016 Fiscal Year Research-status Report
重症複合型免疫不全を呈する希少難病(細網異形成症)の病態解明と治療法の開発
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15K11072
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
野間 隆文 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学系), 教授 (40189428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷村 綾子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学系), 助教 (10610199)
堀口 大吾 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学系), 助教 (70304532)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 重症複合型免疫不全症 / 細網異形成症 / AK2 / 遺伝子変異 / エネルギー代謝 / 細胞分化 / 組織特異的遺伝子発現 |
Outline of Annual Research Achievements |
細網異形成症(RD)の原因として,ミトコンドリア酵素であるAK2遺伝子変異が報告されているものの,その発症機序については不明のままである。RDでは,免疫細胞の分化障害が病態の基盤になっており,その発症機序を明らかにするためには,T細胞分化におけるAK2の役割の解明が必要であると考えている。一方,制御性T細胞(Treg)については,解糖系を阻害するとnaive T細胞からTregの分化誘導が促進されることから,酸化的リン酸化によるエネルギー代謝がTregの分化誘導に重要な役割を担っている。今年度は誘導型Foxp3発現ベクターを安定的に保持するJurkat細胞株を取得するために,1.リポソームによる遺伝子導入法,2.Nucleofectionによる遺伝子導入法をそれぞれ独立して実験した。 1.リポソームによる遺伝子導入 Jurkat細胞への誘導型Foxp3発現ベクターの遺伝子導入は, TransIT-JurkatおよびX-tremeGENE-HPを用いて行った。その結果,この2種類のリポソームを用いたリポフェクション法では,GFP発現ベクターのトランスフェクション後24時間でのGFPの発現細胞の割合を計測した結果から,遺伝子導入効率は,せいぜい1%前後であった。outgrowthしてくるクローンはいずれの実験条件でも得られなかった。 2.Nucleofectionによる遺伝子導入 Jurkat細胞にベクターとpuromycin耐性遺伝子を20:1で, co-nucleofectionした。クローニングは96-well plateに1細胞ずつ蒔いた。その結果,30 well以上で増殖する細胞クローンとして樹立された。現在,各クローンの細胞増殖を待って,保存とDoxycyclinによるFoxp3の発現誘導能を確認する実験の準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の目標は,昨年度達成できなかった課題である安定的FoxP3発現誘導細胞株の樹立である。まず昨年度の方法論を再検討し,FoxP3発現誘導ベクターの遺伝子導入において,改善すべき点として,導入効率の改善が明らかになった。通常のリポフェクション法と電気穿孔法(Nucleofection)の2つの方法のうち,リポフェクション法はNucleofection 法に比べて,T細胞株であるJurkat細胞への遺伝子導入効率が極端に低いことが分かった。この点を踏まえて,FoxP3発現誘導ベクターの遺伝子導入をNucleofection 法を用いた。さらに,細胞がPuromycinに感受性が高いことが分かったので、これを考慮して,Nucleofection後の細胞の回復期間を2種類用意するとともに,薬剤選択期間を設定した。このような実験条件の検討を踏まえて、現在クローンが30以上選抜することができ,Doxycyclinによる誘導活性の検討に入っている。研究計画全体ではやや遅れが見られるものの,改善の効果が認められており、着実な進展を認めている
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Strategy for Future Research Activity |
29年度は,取得できたクローンの分析と誘導活性が高いクローンの選抜により,Treg細胞分化誘導時のAK2の役割の検討を予定している。
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Causes of Carryover |
Treg誘導後のAK2の遺伝子発現抑制下での実験が29年度に繰り越されたため、それに必要な試薬の購入を29年度にまわしたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究費の一部(3万円)を平成29年度に使用する。
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