2017 Fiscal Year Research-status Report
進行口腔癌の原発及び頚部リンパ節転移に対する陽子線治療効果の解明
Project/Area Number |
15K11081
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
高山 香名子 横浜市立大学, 医学研究科, 客員研究員 (60747997)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
來生 知 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (30545059)
光藤 健司 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (70303641)
|
Project Period (FY) |
2015-10-21 – 2019-03-31
|
Keywords | 口腔癌 / 頸部リンパ節転移 / 陽子線治療 / 動注化学療法 / 化学放射線治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
局所進行口腔癌の標準治療は外科的切除療法であるが、高齢化に伴い手術困難症例が増加している。また、臓器温存への期待から、動注などの化学療法を併用した化学放射線治療を希望する患者が増えている。化学放射線療法による良好な治療成績が報告されつつあるが、頸部リンパ節転移に対する治療効果は満足いくものではない。陽子線治療は従来の放射線治療と比較して、その優れた線量分布から、周囲正常組織への障害軽減と投与線量の増加が可能であり、頸部リンパ節に対する高い治療効果も臨床的に明らかになってきた。
本研究は、頸部リンパ節転移を有する口腔癌に対する陽子線を用いた根治的化学放射線治療の治療効果・有害事象の検討及び分子生物学的効果についての解明を目的としている。 2016年の陽子線統一プロトコールにより若干の方針修正を要したが、南東北がん陽子線治療センターにてこれまで動注化学療法と陽子線治療を併用して治療を行った症例の登録を蓄積し解析中であるが、頚部リンパ節転移に対する良好な治療成績が得られている。また、追加研究として頸部リンパ節転移を有する再発舌扁平上皮癌に対しても、解析により、照射歴がなければ一次症例と変わらない良好な治療成績が期待されることが明らかとなった。
分子生物学的研究については、組織サンプルを採取困難な症例が多く、難航している。今後、サンプル採取の継続と、採取したサンプルからDNA二重鎖切断頻度を計測・群間比較を行い検討を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
サンプルの採取が難航しており、分子生物学的研究が十分に進んでいない。 頸部リンパ節転移を伴う口腔扁平上皮癌の治療症例については、十分に症例数が蓄積されており、様々な角度から解析を行っている。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究は、扁平上皮癌を主体とする口腔癌の原発及び頸部リンパ節転移に対する治療に関するものである。2009年から同様のプロトコールで治療を行った症例の後ろ向き研究も含めてすでにデータの抽出と解析を進めており、今後、論文作成を進めて行く。 生検検体を用いた分子生物学的検討については、引き続き組織サンプルの採取を進めて行く。
|
Causes of Carryover |
(理由)研究代表者の異動に伴い、基礎研究の進行が遅れたことと、研究の進行がやや遅れていることにより、研究や学会発表を含め当初予定していた予算が執行されなかった。
(使用計画)次年度は、現在分析している研究の結果をまとめ、研究の成果を学会で報告し、論文を作成するために有効に研究費を使用する予定である。また、付随研究についても論文を作成する予定である。
|