2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K11097
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
山根木 康嗣 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (00434944)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中正 恵二 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (00217712)
山田 直子 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (10319858)
西浦 弘志 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (90284760)
野口 一馬 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (50309473)
小越 菜保子 兵庫医科大学, 医学部, 研究生(研究員) (60509115)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 口腔扁平上皮癌 / 腫瘍リンパ管新生 / 腫瘍血管新生 |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔扁平上皮癌は比較的早期に頸部リンパ節や肺転移を来たす事が挙げられており、頸部リンパ節転移を認めた症例ではその生存率は半減するといわれている。本研究ではヒト扁平上皮癌細胞が発現する内因性血管抑制因子に着目し、腫瘍性リンパ管新生を阻害する。1.ヒト口腔扁平上皮癌細胞株における血管新生因子、内因性血管抑制因子とその受容体の発現を、リアルタイムPCRアレーを用いて検索した結果、数種の血管新生因子または受容体発現の著しい増加を確認した。 2.内因性血管抑制因子とその受容体の減少も確認した。 3.1,2の因子より、ヒストン脱アセチル化阻害剤(HDACI)、DNAメチル化阻害剤(DNMT)またはmTOR阻害剤の作用によって、血管新生因子の減少および内因性血管抑制因子の増加を確認した。 4.1,2,3によって得られた内因性血管新生抑制因子とVEGFもしくはその受容体との結合性を免疫沈降法にて複合体を形成する因子を同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
口腔扁平上皮癌における数種の内因性腫瘍血管新生因子の同定に成功し、内因性血管新生抑制因子とVEGFもしくはその受容体との結合性を免疫沈降法にて確認した結果、複合体を形成することが確認できた。以上より、内因性血管新生抑制因子は血管新生のネガティブフィードバック因子であるのみならず、リンパ管新生抑制にも関与することが示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
1.内因性血管新生抑制因子の候補蛋白がリンパ管内皮細胞に対して、増殖抑制効果が認められるかを検討する。 2.今年度に得られたepigenetic modulatorの作用がヒトリンパ管内皮細胞株における内因性血管新生抑制因子の発現への影響を検討する。(HDACIおよびmTOR阻害剤は既にリンパ管増殖抑制効果があることは報告されているが、癌細胞が産生する内因性血管新生抑制因子の発現については報告がない。) 3.epigenetic changeによるヒト扁平上皮癌細胞とリンパ管内皮細胞の共培養にてリンパ管管腔形成(tube formation)および遊走能への影響をin vitroで検討する。 4.担癌マウスを作成し、epigenetic modulatorの濃度・日経過による腫瘍の増殖能および腫瘍内リンパ管数の測定と転移抑制能をin vivoで検討する。
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Causes of Carryover |
1.細胞株は研究代表者が既に購入済みであった。2.実験手法が熟練し、無駄なく早期に良好な結果が得られた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
1.細胞培養関連消耗品および試薬を購入する。2.mTOR阻害剤や各種阻害剤を購入する。3.蛋白の同定および免疫染色のための抗体を購入する。4.in vitroで得られた結果が、in vivoでも同様の結果がえられるか確認するために、ヌードマウスを購入する。
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