2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K11116
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
平尾 功治 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学系), 助教 (00581399)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 正 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学系), 准教授 (00217770)
湯本 浩通 徳島大学, 病院, 講師 (60284303)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 象牙芽細胞 / 石灰化 / 自然免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
【ラット象牙芽細胞(KN-3)の培養と石灰化モデルの確立】 ラット象牙芽細胞様細胞(KN-3)を用い、石灰化能の調査・長期培養による細胞への影響について調査を行った。KN-3の培養は、Nomiyamaらの方法(J. Endod. 2007 Oct, 33 (10);1187-91)を改変し、2%FBS存在下alpha-MEM培地にてvon Kossa染色の結果、やや弱いながらも石灰化物の沈着が確認された。 一方で、mRNAの解析においては、細胞数が少ないためか解析に足る十分量のmRNAの精製には至っておらず、今後の課題となっている。
【KN-3における石灰化に関与する因子の調査】 KN-3における石灰化に関与する因子の調査を行った。一般的にdentin sialophosphoprotein (DSPP)等の石灰化因子はLPS等の刺激により減少するとの報告がある (J Exp Zool B Mol Dev Evol. 2009 Jul 15; 312B (5): 425-36)。今回の研究において、iE-DAP刺激はKN-3のdentin matrix protein (DMP)1やDSPPの発現に影響を与えなかった。さらに、抗炎症作用を持つとされるカテキン等のポリフェノール類のKN-3における石灰化への影響も調査したところ、ポリフェノール類の一種であり、プロポリスの主要成分とされるcaffeic acid phenethyl ester (CAPE)処理によって、象牙芽細胞の分化に影響するとされるvascular endothelial growth factor (VEGF)のmRNAならびに培養上清中のVEGF蛋白の発現が増加することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
KN-3を用いた石灰化の解析については計画通りおこなっているものの、遺伝子解析においては、現在の方法では細胞数の確保が困難なため遅れが生じている。今後、さらなる培養法の改良を行うとともに、蛋白レベルでの発現解析等、可能な解析方法を用いて研究を継続する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度の研究計画において遅れが生じており、今年度は平成28年度に行う予定であった、石灰化シグナルの探索ならびに、MAPK経路との関連の調査を行う。さらに、そのシグナル阻害剤やsiRNAを用いた石灰化反応もメカニズムについても解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
約15万円の次年度繰越金が生じているが、研究計画の遅れにより、予定していた物品の購入を次年度に繰り越したためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度においては遅れている、遺伝子発現の解析ならびに石灰化シグナルのメカニズム解明を予定しており、各種抗体の購入を行う予定である。また、学会での研究成果発表、英文雑誌への研究成果投稿を予定しており、研究費はこれらの使用計画に則り適切に使用する。
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Research Products
(5 results)