2017 Fiscal Year Research-status Report
解剖学的標準化と統計画像を応用した咀嚼筋局所活動の3次元解析
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15K11191
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山口 哲史 東北大学, 大学病院, 講師 (50400263)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 咀嚼筋活動 / 筋電図 / MRI |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度では、6名の被験者を対象として、前年度から継続して複数の運動強度と複数の運動継続時間でのクレンチングにおける筋電図積分値(iEMG)と筋内部の平均T2変量(平均ΔT2)との関連を解析すると共に、各被験者の頭頚部MR画像を頭頚部の標準形態テンプレートに対して空間的に標準化する方法を検討した。 iEMGと平均ΔT2の関連解析では、前年度では全被験者のデータを統合して相関分析を使用していたが、当該年度では被験者間や筋間の変動を考慮した回帰係数を推定することが出来る線形混合モデルを使用して詳細な解析を行った。その結果、同じ筋の左右側の回帰係数はほぼ同じであるにもかかわらず、異なる筋間では回帰係数も異なることが示された。これは、過去に脊柱筋を対象とした研究で示された結果を支持するものである。一方、iEMGと平均ΔT2それぞれと運動強度との関連についても線形混合モデルを使用して解析したところ、異なる運動継続時間による回帰係数の変化が、iEMGと平均ΔT2とでは異なる可能性が示唆された。 頭頚部MR画像のテンプレートに対する空間的標準化については、複数のソフトウェアを使用した結果を視覚的に検討したところ、Advanced Normalization Tools (ANTs)による標準化の結果が最も良好であることが示された。 上記結果を踏まえ、次年度には複数被験者のmfMRI画像をテンプレートに対して標準化する手法を確立し、咀嚼筋内部における共通の活動領域を統計学的に算出して統計マッピングを行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成29年度前半までにMRI撮像と解析を終了する計画であったが、他の研究で主に使用されているMRI装置を借用する必要があったため、本研究課題のための撮像に遅延が発生した。そのため、平成29年度中に終了する予定であった撮像と解析の一部を行うことが出来ず、研究期間を平成30年度まで延長することになった。
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Strategy for Future Research Activity |
想定していた全タスクによるMRI撮像は終了していないが、次年度は既に撮像済みのMRIの解析を優先して行い、空間的標準化による咀嚼筋局所活動の統計解析方法を確立し、国内学会および海外学術誌への結果発表を行う予定である。
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Causes of Carryover |
(理由) 平成29年度にMRI撮像と解析を終了する計画であったが、他の研究で主に使用されているMRI装置を借用する必要があったため、本研究課題のための撮像に遅延が発生し、平成29年度中に終了する予定であった撮像と解析の一部を行うことが出来ず、未使用額が発生した。 (使用計画) MRI撮像と解析および成果発表を次年度に行うこととし、未使用額はその経費に充てる予定である。また、解析後のデータを長期的に保存するための設備の購入にも使用する予定である。
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