2015 Fiscal Year Research-status Report
PDE2遺伝子変異を標的とした悪性腫瘍の新規治療方法の開発
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15K11241
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
村田 琢 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (80242965)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 香澄 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (20378368)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 悪性黒色腫 / phosphodiesterase |
Outline of Annual Research Achievements |
cAMP等の分解酵素であるPhosphodiesterase (PDE)はPDE1~11のファミリーにより構成されており,更に,各ファミリーにはAからDのサブタイプが存在する.これまでに我々は,PDE2阻害により浸潤能が低下する口腔悪性黒色腫細胞で,PDE2遺伝子変異がみられることを報告した.そこで,本変異と細胞浸潤との関係を調べるため,最初に口腔悪性黒色腫細胞に変異型PDE2を強制発現させて浸潤能への影響を解析した.導入の確認は免疫染色,PDE assay,western blottingで行い,マトリゲルインベージョンチャンバーを用いたinvasion assayで細胞浸潤の解析を行った. 野生型と変異型PDE2A導入群はいずれも導入効率は免疫染色で約35%で,PDE assayでは高いPDE2活性を、Western blottingでは強いPDE2Aタンパク質の発現を認めた.しかし,control群とplasmid群では全く認めなかった.変異型PDE2A導入群のみInvasion assayで約40%細胞浸潤が増加していた.以上より,PDE2の遺伝子変異が悪性黒色腫細胞の浸潤能亢進に関与する可能性が示唆された. 次に、PDE2A野生型と変異型の発現ベクターを構築し、PDE2Aタンパク質野生型と変異体安定発現細胞株も作成した. また、下流シグナルを誘導体等で検討し、cAMPとPKAのシグナルが関係する可能性が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに、研究実施に支障はなく、概ね順調である。 研究成果の一部は、第52回口腔組織培養学会にて報告した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に特に変更点はなく、当初の計画に従って進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
消耗品の価格変動により、少額ではあるが、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度使用予定の薬品には、当初の予定よりも価格が高騰しているものがある。次年度使用額をあてて購入する予定である。
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Research Products
(1 results)