2015 Fiscal Year Research-status Report
創傷治癒不全および難治性口内炎に対する新規治癒促進剤としてのレプチンの挑戦
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15K11253
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
工藤 景子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 助教 (70380029)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 洋二 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 教授 (20200214)
工藤 隆治 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 助教 (10263865)
玉谷 哲也 徳島大学, 大学病院, 講師 (30274236)
藤澤 健司 徳島大学, 大学病院, 講師 (40228979)
高丸 菜都美 徳島大学, 大学病院, 助教 (40513031)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | レプチン / 創傷治癒不全 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.ICR雄性(6~8週齢)のマウスより、ペントバルビタール麻酔下に周囲除毛後デルマパンチ(径5mm)を用いて、皮膚全層欠損創を作成し、3,7,10、14日後に創傷部の大きさを測定する(n=3)。→3日目(径2.83mm)、7日目(径1.16mm)、10日目以降は治癒し欠損創として測定不能。(各ポイントにおいて、抗レプチン抗体を用いた免疫組織化学的検索を行ったところ、線維芽細胞を中心に、染色された像を認めた。) 2.ICR雄性(8週齢)の背部皮膚より皮膚線維芽細胞を初代培養。以降の実験は継代数3~5を利用。96wellプレートに細胞を200個ずつ播種。播種後6時間培養し、接着を確認したところで、各種濃度のレプチン(0, 0.1, 1, 10, 100ng/mL)を含んだ培養液に交換し、培養開始後1,3,7,10,14日後にMTTアッセイを実施。→有意差は得られていないが、濃度依存的に細胞増殖傾向を認めた。 3.セミコンフルエントに達したマウス皮膚線維芽細胞に各種濃度のレプチン(0, 0.1, 1, 10, 100ng/mL)を含んだ培養液に交換。当初はラジオイムノアッセイにて各サイトカインの分泌を確認予定にしていたが、放射性同位元素の使用が必要となるため、ELISA(サンドイッチ法)を用いて実施。→VEGF, EGFについては、レプチン濃度依存的に増加傾向を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成27年度にob/obマウスを用いた実験(野生型マウスとの創傷治癒の比較検討など)を行う予定だったが、施設都合により入手できず、次年度へ持ち越しとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度に出来なかったob/obマウスを用いた実験計画を平成28年度は進めることを検討している。 1.ob/obマウスにおける皮膚創傷治癒の過程を野生型マウスと比較検討:各種マウス(ob/obマウス、野生型マウス)雄性6~8週齢を用いる。ペントバルビタール麻酔下、マウス背部を除毛剤で剃毛し、デルマパンチを用いて直径5mmの皮膚全層欠損創を作製。創傷作製3,7,10および14日後に創傷面積をNIH imageを用いて測定、ob/obマウスと野生型マウスにおいて治癒過程に差があるか、比較検討する。2.ob/obマウスの皮膚創傷治癒に対するレプチンの影響:1に記したように、ob/obマウスの背部皮膚に皮膚欠損創を作製し、100ng/mLレプチン添加白色ワセリン添加白色ワセリンまたは無添加白色ワセリンを創部に外用塗布を行ったマウスにおいて、創傷作製3,7,10および14日後に創傷面積をNIH imageを用いて測定する。さらに、血管新生の程度を免疫組織化学的に検討する。血管内皮細胞のマーカーであるCD31染色を用いる。染色された面積をNIH imageを用いて測定する。
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Causes of Carryover |
平成27年度の実験計画においてob/obマウスを用いた実験を計画していたが、実験施設の問題より入手が厳しかった。そのため、次年度へ本計画を持ち越しとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
1.ob/obマウスと野生型マウス(雄性;6~8週齢)を用いて、皮膚欠損創の治癒過程を比較検討する。 2.1に対して100ng/mLレプチン添加ワセリン塗布群と無添加群に分け、治癒過程を比較検討する。 3.右側下顎第1大臼歯に抜歯窩を作成し、1.2と同様の比較実験を実施する。
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