2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K11281
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
小山 典子 朝日大学, 歯学部, 准教授 (60367563)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水越 堅詞 朝日大学, 歯学部, 助教 (90631565) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 2 / SHH / 上皮成長因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,申請書に記載した研究目的のうち① Shhの分枝形態形成促進作用に対するEGF受容体阻害薬およにSHH阻害薬の影響 ② SHHのErbBファミリーの発現量に対する影響の2点についておもに検討を行った. 【研究成果】 ① 胎生13日齢の顎下腺原基にSHHとEGF受容体の特異的阻害剤であるAG1478を作用させて,形態変化を観察した.その結果,SHHによる分枝形成促進作用はAG1478の処理により阻害された.また,イムノブロット解析により,AG1478で処理すると,SHHによって誘導されるEGF受容体のタンパク質量,およびEGF受容体のリン酸化ともに阻害されていることが明らかになった.また,SHHによって活性化されるER1/2のリン酸化もAG1478の処理により抑制される事が分かった.同様に,SHHの阻害剤であるCyclopamineで処理した場合も,分枝形態形成は抑制され,SHHにより誘導されるErbBのリン酸化の亢進やERK1/2のリン酸化の亢進も抑制することが明らかとなった.② 胎生13日齢の顎下腺にSHHを0,0.5, 3,6,12,24および48時間作用させ,RNAを抽出し,リアルタイムPCRを行なった.その結果,SHHの処理後,6時間でEgfが,12-24時間でNrg1のmRNAの発現が有意に増加することが明らかになった. 【意義・重要性】 顎下腺の形態形成反応は,上皮-間葉相互作用により複数の調節因子が順次活性化することで進行すると考えられているが,その調節機構に,少なくともSHHが関与しており,SHHとErbBが連携して機能している可能性が示唆された.顎下腺発生においてSHHとErbBが連携して作用することを明らかにしたことに意義・重要性がある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究分担者の協力と研究協力者の助言などにより,おおむね順調に進行している.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策 顎下腺原基から間充織を除去した上皮へのSHHの直接的な影響を検討する. 現在までの研究では,wholeの顎下腺を対象にSHHの影響を検討して来た.今後は,顎下腺上皮の分枝形態形成にSHHがどのような作用を生じさせているのか,直接的な作用について検討を加える.また,SHHが上皮組織に直接作用をおよぼさない場合は,SHHが間充織に何らかの作用をおよぼし,分枝形成を促進している間接的な作用が考えられるので,間充識からの間接的な作用ついても併せて検討を行い,顎下腺発生におけるSHHの役割を追求していく.
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Research Products
(1 results)