2015 Fiscal Year Research-status Report
急性期看護教育に関するモチベーション強化のためのeラーニングシステムの構築と評価
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15K11580
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
高橋 由起子 岐阜大学, 医学部, 准教授 (90313915)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | モチベーション / eラーニング / ブレンディッドラーニング / 学習動機づけ / 急性期看護学 / 自己学習能力 / ARCS / ICT |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,看護教育に関する学習意欲を刺激し,学習の継続性・モチベーション強化のために,ARCS-V動機づけモデルを参考にしたeラーニングシステムを急性期看護の授業科目に構築し,その学習効果を評価することである。 今年度は「急性期看護方法Ⅱ」の中で,授業配付資料をAIMS-Gifuシステムから利用できるように構築し,予習効果をねらうとともに,ARCS-V動機づけモデルの視点を参考に,学習への取り組み状況の把握のために,事前テスト,事後テストを行った。事前テスト,事後テストの結果については,小テストの結果とともに今後詳細に分析していく予定である。また,現行の「AIMS-Gifu」学習支援システムを活用し,双方向のコミュニケーションが図れるよう,掲示板,日記,メッセージ,グループページ,ルーブリック評価などのコミュニティ機能の構築を行った。eラーニングについてはアクセスログを順次蓄積し,アクセスログからのシステムの使用状況の分析を行う予定である。 学習モチベーションを調査するためのスケールとして,従来までに報告されているARCS動機づけモデルに基づいた評価等を参考にスケールを検討した。当初使用予定のMSLQスケールについて開発者に使用許可を得たものの,スケールの根拠がはっきししていないことが判明し,動機づけモデルについての評価スケールを検討する必要性があることが明らかとなった。現在発表されているCISモデル(ARCS動機づけモデルに基づくCourse Interest Survey日本語版尺度)の使用を検討中である。また,独自の学習満足調査のための質問紙についても今後検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は「急性期看護方法Ⅱ」の中で,授業配付資料をAIMS-Gifuシステムから利用できるように構築し,予習効果をねらうとともに,ARCS-V動機づけモデルの視点を参考に,学習への取り組み状況の把握のために,事前テスト,事後テストを行った。今後データを蓄積して,事前テストと事後テストの結果と,学習モチベーションの傾向を分析していく。また,現行の「AIMS-Gifu」学習支援システムを活用し,双方向のコミュニケーションが図れるよう,掲示板,日記,メッセージ,グループページ,ルーブリック評価などのコミュニティ機能の構築を行った。eラーニング部分の解析についてはもう1年のアクセスログの蓄積を考えている。アクセスログを順次蓄積し,アクセスログからシステムの使用状況の分析を今後行う予定である。 学習モチベーションを調査するためのスケールとして,従来までに報告されているARCS動機づけモデルに基づいた評価等を参考にスケールを検討した。当初使用予定のMSLQスケールについて開発者に使用許可を得たものの,スケールの根拠がはっきししていないことが判明し,動機づけモデルについての評価スケールを検討する必要性があることが明らかとなった。現在発表されているCISモデル(ARCS動機づけモデルに基づくCourse Interest Survey日本語版尺度)の使用を検討中である。また,独自の学習満足調査のための質問紙についても今後検討していく。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は「急性期看護方法Ⅱ」の科目の中で,順次検討している内容を試験的に運用し,データの蓄積を行っている。学生の学年の進行とともに横断的に経過を把握していくため,今年度得たデータをベースに,平成28年度も,随時データを蓄積していく。特に,前半の科目についてはeラーニングおよびこれらを含めたブレンディッドラーニングのシステムが従来までに構築され,学習モチベーションを調査しやすい環境の科目となっている。今後は,ARCS-V動機づけモデルの視点を参考に,学習への取り組み状況の把握のために,事前テスト,事後テストをを含めた学習モチベーションの実際についての調査を行っていく予定である。蓄積している事前テスト,事後テストの結果については,小テストの結果とともに,eラーニングについてのアクセスログを順次蓄積し,アクセスログからのシステムの使用状況の分析をっていく。 学習モチベーションを調査するためのスケールについては,当初の予定していたスケールの信頼性が確認できないでいる。過去に報告されているMSLQ関連の先行研究から文献検討を進め,使用可能なスケールを検討していくとともに,本研究に利用できる内容として独自の学習満足調査のための質問紙についても検討していく。 今回構築しているシステムを構築・運用していくために,分野内の協力者の負担部分も大きくなってきた。また,データが順次蓄積され,統計的手法を把握した協力者も必要になってきた。研究支援者としての雇用・謝金を考えていたが,スムーズな研究遂行のため,研究分担者2名(システム構築のための分野内教員,統計手法の専門家)を研究分担者に加えていく。
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