2018 Fiscal Year Research-status Report
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15K11595
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
明石 惠子 名古屋市立大学, 看護学部, 教授 (20231805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森木 ゆう子 大阪市立大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (70374163)
江口 秀子 大阪青山大学, 健康科学部, 准教授(移行) (90512343)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 倫理的行動 / 救急看護 / 新卒看護師 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、救急看護師に必要な救急患者の倫理的問題に適切に対応できる能力の修得に寄与する教育方法の構築を目指している。そのために①救急部門に配属された新卒看護師および他部署経験後の看護師の配属後3年間における倫理的行動の修得のプロセス、②救急領域における倫理調整を業務とする急性・重症患者看護専門看護師の倫理的行動修得のプロセスの2点を明らかにすることを目的としている。 目的①について、平成28年4月に救急部門に配属された新卒看護師と他部署経験後の看護師を対象にこれまでに配属半年後(平成28年10月)、1年後(平成29年4月)、1年半後(平成29年10月)、2年後(平成30年5月)、2年半後(平成30年11月)の調査を実施した。継続して調査し得たのは新卒看護師1名、他部署経験後看護師1名であった。 平成30年度は、救急部門に配属された新人看護師の2年半後までの倫理的行動に関する面接データを分析し、次のことがわかった。配属半年から1年後は、自分で判断できることが少なく、集中治療室の業務や医療的処置を優先していた。そのなかで、患者のADLレベルに沿ったケアや家族への心理的援助が実施できないことへのジレンマを感じていた。1年半後から2年後は、薬剤や抑制などの使用に関する医師の指示や先輩看護師の行動を批判的に捉えていた。患者にとってのより良いケアを考え、時々医師や看護師に自分の考えを伝えるが、相手を納得させるほどの知識を修得していないことを自覚していた。また、他者と自分との価値観の違いに気づき始めた。2年半後のインタビューでは、上司に勧められた臨床倫理のセミナーに参加したり、部署内の小グループのリーダーとして倫理カンファレンスなどを企画したりしていることを述べた。これらにより、気になる患者を倫理原則に沿って考えたり、他の看護師が倫理に関心をもつように働きかけたりするようになっていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
理由 目的①について、救急部門に配属された新卒看護師と他部署経験後の看護師を対象として、3年間の縦断研究を予定していたが、研究協力者の確保に苦慮している。研究開始時に直接、口頭と書面で説明し同意を得た研究協力者に、半年ごとにEメールと郵送で面接調査・質問紙調査を依頼してるが、脱落者が多く、予定通りのデータ収集が行えていない。
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Strategy for Future Research Activity |
目的①について、令和元年5月に配属後3年の調査を実施し、救急部門に配属された看護師の3年間における倫理的行動の修得プロセスを分析する。縦断調査のデータ収集はこれで終了となるが、研究協力者が少なかったため、横断調査の実施計画を立て、倫理審査を受ける。
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Causes of Carryover |
研究協力者が少なくなり、調査旅費と研究協力謝金が少なかったため
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