2018 Fiscal Year Research-status Report
悪い知らせを伝え意思決定する協働モデルの有用性の検証及び実用化に関する介入研究
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15K11626
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
寺町 芳子 大分大学, 医学部, 教授 (70315323)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 志津枝 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (00149709)
植田 喜久子 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 教授 (40253067)
東 清巳 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 教授 (90295113) [Withdrawn]
橋本 理恵子 大分大学, 医学部, 助教 (90761130)
大野 夏稀 大分大学, 医学部, 助教 (20818596)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | インフォームド・コンセント / 悪い知らせ / 合意意思決定 / 協働 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.研究対象施設No1では、研究対象者がモデルを活用した実践に踏み込むことができるように、研究対象者に対して、1回/月のペースで実際の事例を用いた学習会を継続して行った。学習会では、これまで同様、医師や患者の研究同意を取らないで、事例としてモデルを活用した実践を行ってもらった。モデルを用いて事例のアセスメントを行い、研究対象者がそのアセスメントを基に、実践を行うことを繰り返し行った。その結果、研究対象者のモデルへの理解が深まり、研究対象者が臨床現場でどのよう活用していくかを考えられるようになってきた。研究同意を得られた医師の事例で、患者の同意も得て数名の研究対象者がデータ収集につながる実践を行うことができた。 2.研究対象施設No2では、消化器外科病棟と腫瘍・血液内科の病棟で、合計10名の研究対象者を確保することはできた。消化器外科病棟では、実際の事例があり、その事例を用いてモデルの学習会を複数回行った。研究対象者がモデルを理解し、モデルを活用した実践を行うことはでき、データ取集につながる実践を行ってもらう段階まで進むことができた。腫瘍・血液内科では、研究対象者の勤務の調整がなかなか取れず、研究者の時間的制限もあり、積極的な、研究対象者へのアプローチとしてのモデルの学習会の開催もなかなかできず、1回しか実施できなかった。 モデルを用いた事例の分析の学習会を通して、研究対象者が意思決定支援において、理論を用いた看護実践に対して躊躇する姿勢が強いことや、臨床現場の煩雑さの中で予測・意図した意思決定支援を行う姿勢が低下している現状が見えてきた。研究対象者である臨床現場の看護師が、理論を用いた看護実践を行うことの困難さが、本研究の進捗に大きく影響していると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
1.研究対象施設No1では、学習会の成果があり、研究対象者数名がモデルを活用した実践を行い、データを収集することができた。しかし、研究対象者全員の実践とはならなかった。支援の対象の医師と患者の同意が必要であり、医師の同意は得られているが、患者への同意を取ることに躊躇してしまう傾向があり、データ収集に結び付く実践を行うことができなかった。 2.研究対象施設No2では、2つの病棟で研究対象者は確保することができた。学習会を進めることができた病棟では、モデルを活用した事例の検討を行うことができ、本格的なデータ収集のための実践を行える段階まで来ることができたが、もう一つの病棟では、学習会もなかなか進まず、停滞してしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
1.研究対象施設No1では、延長期間で、期間を決めて、全ての研究対象者が、実際に活用したデータ収集できるようにする。 2.研究対象施設No2では、研究対象者に、研究スケジュールを提示して、モデルの理解や活用方法のアドバイスを並行して、データ収集のためのモデルを活用した実践を行ってもらうよう依頼する。 1.2.を通して、延長期間で、研究対象者全員のデータ収集、分析を行う。
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Causes of Carryover |
研究対象施設No1、研究対象施設No2共に、研究対象者を確保することができたが、研究対象者がモデルを活用して、対象となる医師や患者の同意を得て、研究のデータ収集の対象となる実践が行えなかったため、本データ収集まで行かず、インタビューデータ等の逐語録作成にかかる人件費が予定より少なかったため。 (使用計画) 今後、延長期間に2か所の研究対象施設で、本格的なデータ取集が確実に実施できるめどが立ったため、インタビューデータ等の逐語録作成に必要な経費として使用していく。また、途中経過で得られた研究結果の学会発表の旅費として使用していく。
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