2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K11668
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
佐保 美奈子 (井端美奈子) 大阪府立大学, 看護学研究科, 准教授 (80331742)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入江 真行 和歌山県立医科大学, 先端医学研究所, 准教授 (20305775)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 排泄障害 / 性機能障害 / 総排泄腔遺残症 / 移行期支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
具体的内容:1.毎月の外来カウンセリングで、主に総排泄腔遺残症の思春期以後の女性(のべ40名)の相談に乗った。2.小児泌尿器科専門医による研究指導を受け、医療的なアドバイスを得て研究を進めることができた。3.はがきサイズのイラスト絵本『総排泄腔遺残症ってこんな病気』は、外来や患者会で得た情報を元に作成したものである。恋愛のパートナーに病気のことを説明するために役立っている。就業先の上司や人事担当者にも、障がい者就労支援の視点で役立ててもらえるような内容に修正・追加する予定である。4.拡大患者会を企画し、西日本と東京から12名の参加者があった。上記のイラスト絵本について意見を得た。5.研究方法の深化のために、PILテスト・現象学研究会・MGTA研究会に参加した。6.学会発表・参加 日本小児泌尿器科学会・日本思春期学会・DSDセミナーに参加した。 意義:総排泄腔遺残症の女性は、出生後からの排便・排尿のケアに加えて、思春期以後は月経・学業・恋愛・仕事・結婚についての問題が加わり、さらに課題が複雑になる。平成26年に難病に新たに指定され、思春期以後のケアの充実が求められているが、排泄・性機能ともに良好な者は少ない。毎月のカウンセリングで体調を確認しながら、恋愛・学業・仕事のことについて疾患をよく知るものが相談外来は全国でもほとんどないのが現状である。小冊子やイラスト絵本など、一般のかたの理解を促す教材を今後も工夫する。 重要性:総排泄腔遺残症の女性の移行期支援の内容は、他の先天性の疾患や慢性疾患の女性にも応用できるものである。からだやこころや生き方の多様性への社会の理解を増進し、総排泄腔の女性が生きやすい社会を目指すことは、すべての国民が生きやすい幸せな社会を作ることにつながる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの研究活動(班会議・セクシュアリティ外来担当・学会発表・患者会活動)を継続しながら、SNSを活用した情報共有をおこなった結果、思春期以後の女性の課題や必要な支援が明確になってきた。 恋愛や結婚・性生活についてパートナーに理解を促すためのイラスト絵本を製本することができ、当事者や当事者の職場、難病支援課などに配布することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、特に就業支援に焦点を当てて、当事者が職場の人事課や上司に障がいについて説明する際に支援の内容が具体的に理解しやすくなるような小冊子またはパンフレットを検討し、製本する予定である。
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Causes of Carryover |
小冊子作製費用のうち、イラスト作成については、プロを雇用するのではなく、在学生に依頼して謝金をしはらったので、支払経費が少なくなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に就労支援のための小冊子またはパンフレットを作成するので、その費用に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)