2017 Fiscal Year Research-status Report
成人先天性心疾患患者と家族の移行期支援におけるアセスメントツール開発にむけた研究
Project/Area Number |
15K11710
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
櫻井 育穂 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 講師 (30708516)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 成人先天性心疾患 / 移行期支援 / アセスメントツール / 小児慢性疾患 / 思春期・青年期 |
Outline of Annual Research Achievements |
成人先天性心疾患患者と家族の移行期支援におけるアセスメントツール開発を目的として、平成27・28年度に作成したアンケートを実施したものの回答率が低く、項目の妥当性の検証が不十分であった。よって、今年度は3名の高度実践看護師にインタビューを実施し、看護における患者家族に対する認識と行動から、【患者の病気に対する認識】【将来の合併症とその予防に対する認識】【患者の病気や治療に関連したセルフケア行動】【大人になるための準備】【患者の周囲のサポートを求める能力】【患者の意思決定する能力】【親の移行準備状況】の7つのカテゴリーを抽出した。今後は、さらにインタビューを重ね、アセスメント項目の妥当性を検証していきたい。 さらに、患者家族のアセスメントに向けた国内外の文献検討として、患者家族中心の移行期支援の内容を抽出した。①尊厳と尊重として【患者と家族の尊厳と多様性の尊重】、②情報の共有と意思決定として【患者のライフイベントに合わせた情報提供(移行準備)】【ケアに関する患者・家族と医療者間の情報共有】【多職種・他部門間の情報共有】【患者と家族の意思決定支援】、③協働として【医療者及び関係機関担当者との良好なパートナーシップに基づく協働】【多様な医療・社会福祉サービス】、④参加として【患者が自分自身の健康に興味関心をもち自ら健康を維持・予防する】【健康的に生きるための知識や経験を育む】【患者本人が希望する社会活動に参加する】【家族の子どものケアへの参画をエンパワメントする】が抽出された。アセスメント項目とともに支援の実際についてさらなる分析を行い、患者家族中心の移行期支援に関する看護を考察していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
質的調査に関する研究対象者の確保に時間がかかっているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度インタビューデータを収集し、文献検討に加えて新たな項目が抽出されており、より実践に即したアセスメントツールを作成するために、さらなるデータの積み重ねを行っていく。その上で、移行期支援を先駆的に行っている専門家の方に構成概念の妥当性を調査していき、アセスメントツールの完成に向けていきたい。
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Causes of Carryover |
当該助成金が生じた状況としては、研究対象者へのインタビューの実施が遅れているため、謝金・交通費、分析および研究成果の公表にかかる費用の使用が遂行できていない。今後の使用計画としては、次年度4名のインタビューの実施における謝金および旅費等、データ分析に関する費用(データ入力および質的分析ソフトの購入)、専門家との会議における謝金および交通費交通・会議費、論文作成および結果の公表に関する印刷費等で使用していく。
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