2016 Fiscal Year Research-status Report
幼児の社会・情緒的問題の評価尺度-日本語版ITSEAの標準化と活用にむけて-
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15K11726
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Research Institution | Shukutoku University |
Principal Investigator |
河村 秋 淑徳大学, 看護栄養学部, 講師 (50719094)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広瀬 たい子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 教授 (10156713)
小渕 隆司 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (50457818)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 発達障害 / 社会・情緒的問題 / 子育て不安 / 尺度開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本語版ITSEAは、1~3歳未満の幼児について、その社会・情緒面について4領域(外在化問題、内在化問題、調整不全問題、能力)と3項目群(不適応項目群、社会的関係性項目群、異常項目群)、さらに、詳しい検査が必要とされる特徴や行動の項目と、養育者の心配の程度を問う項目からなる尺度である。 子どもの持つ問題領域を明らかにするのみでなく、強みとなる能力領域を査定できる面が特徴である。子どもの育てにくさ、関わりにくさなどから育児に不安を持つ養育者にとって、育てにくさはどのような問題なのか?逆に子どもにとっての強みは何かを知ることで、より良い養育者の関わりひいては親子関係につなげられると考える。 本研究計画では、本尺度の日本における標準化、カットオフポイント設定、質問紙作成、マニュアルの作成を目指している。 平成28年度は、構成概念妥当性の確認を目的とした、カットオフポイント設定のためのデータ収集が(30例)なされた。本データは対象を発達障害の疑いのある、あるいは診断を受けた1~3歳未満の幼児とその養育者、対照群として特に発達の遅れや心配を持たない幼児と養育者としている。 収集したデータは確認、入力を実施しているところである。今後、データの分析を進めるとともに、さらに不足している性別、月齢のデータについて引き続きデータ収集を行なっていく予定である。それにより男女別、月齢別のカットオフポイントの設定につなげていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
構成概念妥当性検証のため、北海道の小児科クリニック、保育園において質問紙調査を行いデータ収集が進められている。本研究課題においてカットオフポイントの設定のためのデータ収集が困難であることが研究の進捗状況に影響していたが、今年度のデータ収集により進展したといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
本尺度は12か月~36か月齢の男児、女児について、男女別、月齢ごと(12~17、18~23、24~29、30~35か月)にカットオフポイントを設定するため、今後不足している月齢、性別についてのさらなるデータ収集、及び分析を行っていく必要がある。
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Causes of Carryover |
平成28年度において、データ収集のための旅費、データ分析のためのソフト購入に主に使用したが、収集データ情報の入力、分析のためのコンピュータ購入は行わなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度において、引き続いてのデータ収集のための旅費、コンピュータ購入、さらに研究成果発表のための学会発表に使用する予定である。
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