2019 Fiscal Year Research-status Report
幼児の社会・情緒的問題の評価尺度-日本語版ITSEAの標準化と活用にむけて-
Project/Area Number |
15K11726
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Research Institution | Wayo Women's University |
Principal Investigator |
河村 秋 和洋女子大学, 看護学部, 准教授 (50719094)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣瀬 たい子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 教授 (10156713) [Withdrawn]
小渕 隆司 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (50457818)
岡光 基子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 准教授 (20285448)
矢郷 哲志 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 助教 (00778243)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 心理社会的問題 / 幼児 / 発達障害 / 尺度作成 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.日本語版ITSEA(Infant-Toddler Social and Emotionaol Assessment)の弁別妥当性の確認のため、引き続き臨床群(発達障害と診断されている、あるいは疑いがあるとされる)、対照群(保育園に通園し、特に発達上の問題などがない)1から3歳未満の児と養育者を対象に、日本語版ITSEA質問紙調査、新版K式発達検査を実施した。 収集できたデータは、臨床群 46例、対照群 64例である。このデータについて以下の分析を行った。 (1)記述統計:属性(男女、月齢群、早産の有無、低出生体重、保護者の収入、教育年数)日本語版ITSEAの4領域、17下位尺度、3項目群の得点について平均値、標準偏差(2)臨床群、対照群の平均点の比較(3)臨床群、対照群の得点から日本語版ITSEAのカットオフポイントについての検討(4)臨床群と対照群について児の月齢群、性別、保護者の教育年数をmatchさせ、マッチドコントロールをしたうえでの比較を行った。(2)の結果として原版ITSEAマニュアルの得点傾向と同じ傾向は見られたが、下位尺度の得点傾向などは異なっており、日本語版の作成の必要性が示された。また、(3)カットオフポイントについては、明確に示されなかった。これについては今後例数を増やし、分析を行う必要がある。 2.原版ITSEAの版権が従来の米国の会社からフランスの会社へ以降されたため、日本語版の出版について移行先の会社に対して交渉を行っている。 3.日本語版ITSEAのマニュアル作成、質問紙の完成のために日本の尺度出版会社との相談、交渉を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究実績の概要にあるようにデータ収集から分析までを行っている。 日本語版ITSEAの各領域、下位尺度、項目群の臨床群と対照群の得点傾向については原版マニュアルと同じ傾向にはあるが、下位尺度ごとにみると相違があり、日本語版作成の必要性が示された。また、日本語版ITSEAの各領域、下位尺度、項目群のカットオフポイントについて検討したが、例数が少なく、確定できなかった。今後、臨床群のデータを男女、月齢群について追加して確定していく必要がある。 本研究では、日本における活用を目指しているが、これまで収集したデータが関東(東京、千葉、埼玉)、北海道と偏っているため、全国的な調査を行い、標準化につなげる必要性がある。
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Strategy for Future Research Activity |
1.臨床群のデータ収集を継続して進める。 2.フランスの版権保持会社との交渉を続ける。 3.日本の尺度出版社との交渉を続ける。 4.標準化のための全国調査の準備を行う。
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Causes of Carryover |
研究の概要で述べた研究結果について、2020年度開催予定の海外学会へエントリーをしているところである。したがって学会参加費として使用予定である。
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