2015 Fiscal Year Research-status Report
地域特性に基づく在宅ターミナルケアとソーシャルキャピタル醸成の在り方に関する研究
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15K11850
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
大町 いづみ 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 准教授 (40342406)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青柳 潔 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (80295071)
横尾 誠一 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 助教 (90508318)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 在宅緩和ケア / ソーシャルキャピタル / ターミナルケア態度 / 研究計画書 / 調査票 / 倫理審査申請書 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年の国勢調査によると、急速な高齢化の進行により、在宅医療を必要とするものは、益々増加することが推計されている。今後は、本人や家族の希望の有無にかかわらず、在宅で終末期を過ごす療養者が増加する。在宅緩和ケアの質の向上に向けた体制整備が急がれる。近年、人々の協調行動を促進するソーシャルキャピタル(social capital (SC))への注目が高まっている。先行研究結果によると、米国でSCが豊かな地域では政治的コミットメントの拡大、子供の教育効果の向上、近隣の治安の向上、住民の健康状態の向上など有益な効果がもたらされていた。地域での終末期の住民意識とソーシャルキャピタルとの関連を検討した調査では、住み続けたいという地域への愛着や、人とのつながりが関連していた。訪問看護師のターミナルケア態度の積極性には、看護師自身の「看取りの症例数」「看取りの満足感」が関連していた。訪問看護師、介護支援専門員両者の連携について調査した結果では、連絡が取りにくい、報告がないなど連携が困難であったことを明らかにしていた。また、高齢者の訪問看護利用者数が多い都道府県では、在宅で死亡する割合が高い傾向にあった。 本研究の目的は、訪問看護利用者数、在宅死亡者数が多い地域と少ない地域に焦点を当て、訪問看護師約500名と介護支援専門員約500名を対象として、ターミナルケア態度に関連する要因を、主に、日本語版ターミナルケア態度尺度(FATCOD-B-J)、SC指標を用いて、在宅緩和ケアの質の向上に向けた解決策を見出すことである。 27年度は、国内関連学会の最新情報、 国内外の最新文献、地域視察をもとに調査票、研究計画書、倫理審査申請書を作成し、所属大学倫理審査委員会へ提出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国内関連学会の最新情報、 国内外の最新文献、地域視察等により、当初の計画地域より1地域増加し、3県での実施を予定し計画している。 長崎県、長野県、山形県の選定理由:3県は、2025年度の高齢化率予測はほぼ同じ地域であるが、訪問看護利用状況、自宅死亡の割合では、長崎県は、下位エリア、山形県は中央エリア(全国平均)、長野県は上位エリア(訪問看護利用状況全国1位)に属している。3県に在住する対象者の調査から、ほぼ日本全国を標準化した結果が得られるのではないかと考えた。 研究計画書の再検討、調査票の作成、調査実施のための体制作りのために時間を充分使用した事から、27年度は当初予定では、調査実施までの予定であったが、必要書類一式の倫理委員会提出までとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
倫理委員会(5月12日)での承認後、すぐに調査実施できるように準備している。 その後、調査結果は、統計ソフトSPSS for Windows ver22.0を用いて統計学的に分析し、検討後、国内関連学会において報告する。
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Causes of Carryover |
当初は、27年度に調査実施予定であったが、調査の実施を28年度に繰り越したため、郵送費、謝金、人件費を次年度使用額として繰り越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
28年度は、郵送による調査票の配布、郵送費、調査参加者への謝金、会議費、調査員、データ入力のための補助員、郵送事務補助員の賃金を計上し使用予定である。また、研究成果の報告のための国内旅費、国内文献に投稿するために投稿費を計上した。 1.調査票の作成のための印刷費、郵送に必要な諸経費 2.調査参加者への謝礼 3.調査員、補助員、事務補助員の賃金 4.調査前の会議費、交通費、宿泊費 5.協力団体での公表における交通費、宿泊費 6.研究成果発表(国内関連学会)7.調査データ入力費
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