2016 Fiscal Year Research-status Report
大規模天体画像群の重なり領域に基づく時系列解析による変光星の検出
Project/Area Number |
15K12068
|
Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
目加田 慶人 中京大学, 工学部, 教授 (00282377)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高妻 真次郎 中京大学, 国際教養学部, 准教授 (60584183)
道満 恵介 中京大学, 工学部, 講師 (90645748)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 画像 / 天体画像 / パターン認識 |
Outline of Annual Research Achievements |
天文データ解析支援技術の一つとして,大規模な天体画像群を時系列解析することで変光星や突発天体を自動的に発見・追跡するフレームワークおよびそのための画像処理・パターン認識技術の開発を目的としている.当初の研究計画では,(1)天体画像間の重なり領域に着目した位置合わせ,(2)重なり領域内の変化検出,(3)大規模実験を予定していた.本年度の研究課題は,前年度に実現した特徴点ベースのマッチング手法を利用して位置合わせされた画像群を対象として,画像間の重なり領域からの星の変光によって生じる変化が検出できる手法の開発にある.特徴点ベースの位置合わせを利用してもサブピクセル単位の位置ずれは生じているため,単純な画素単位の差分検出手法では十分でないことを確認し,極大点検出に基づく星領域の検出と各領域単位の変化点検出法を開発した.また,撮影時期の異なりによる画素値分布の異なりや,元々の星の明暗に応じた適応的な差分指標を検討した. 既知の変光星を含む画像対からの変光星検出実験をおこない,星単位の処理と改善した差分手法が有効であることを確認した.検出性能としては,再現率0.95,適合率0.73と単純な差分指標による従来の検出結果を大幅に上回る性能が得られることを確認した.得られた結果については,電子情報通信学会総合大会にて報告した. 最終年度に向けて,大規模実験の環境を整えて,全自動化実験を実施する準備はできたと言える.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大規模実験に耐えうるだけの検出精度の手法を開発することができた.また,2017年度の早い時期に,大規模並列計算機を利用することができるようになるため,大規模実験自体も十分に実行可能と考えられる.
|
Strategy for Future Research Activity |
申請書における研究達成事項としてあげた,位置合わせと変化検出については概ね終了した.今後は,これら処理の性能改善と共に大規模実験を実施し,提案する枠組みの有効性を検証する.
|
Causes of Carryover |
当初の予定より計算効率の良い位置合わせ手法が開発できたため,高速な計算機環境を整える必要性が低下したこで物品費が抑えられた.また,学会発表の場所が近かったり,別予算での学会聴講が当該研究の情報収集に利用できたたため旅費が抑えられた.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
大規模実験を効率よく実現するために必要に応じてストレージを増強することと,結果を国際学会等に積極的に発表することとする.
|
Research Products
(1 results)