2015 Fiscal Year Research-status Report
空間フリーな脳型配線・メモリ中心計算に向けた新規機能素子の開拓
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15K12107
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
赤井 恵 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50437373)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅井 哲也 北海道大学, 情報科学研究科, 准教授 (00312380)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ニューラルネットワーク / ポリマー / ディープラーニング / ソフトコンピューティング / 機械学習 / 情報認識 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.倒立型顕微鏡を用いたPEDOT:PSSワイヤー成長の観察。 以前は一般的な金属顕微鏡を使用して、水面の上部からワイヤー成長を確認していた。この場合水面の状態によって撮影の続行が難しくなることが多く、見た目のよい写真、動画を撮影することにはそれなりの回数を要した。これを本さきがけ研究で購入した倒立型顕微鏡を用いて、ガラス基板の裏面よりワイヤー成長を観察したところ、ほぼ100%の確率でワイヤ成長が、とてもクリアに観察できるようになった。 2.複数本数のワイヤ成長の条件獲得と乾燥後のワイヤの存在の確認。詳細な観察を行いながら条件を変更出来る為、複数本数の成長が可能であることを確認した。複数本数が成長可能であることによって、成長中のコンダクタンス変化量が大幅に増大した。すなわち、機械学習による回路の成長時に利用できるコンダクタンス変化幅が増える。また、申請時は複数本成長を確認していなかったので、一本のワイヤが繋がるまでのコンダクタンス変化を利用すると考えていた。よって回路完成後もワイヤを溶液から出すことは出来ないとしていたが、複数本数が成長することで、回路の作製後溶液から出して乾燥したとしても回路が保たれると考えられる。これは現実の応用を目指していく上で大きなアドバンテージである。乾燥後の電極間コンダクタンスは3割ほど減少した。 3.PEDOT:PSS成長に伴う電極間コンダクタンス変化の計測。回路成長の信号検出に利用するためのワイヤのコンダクタンス変化を計測した、ワイヤ成長電圧によってワイヤー太さや本数が異なる。また電極間距離等によっても異なると予想されるが、今回は200μmのギャップ長を持つ電極を用いた。1kHzで最も大きな変化量を示し、成長前の電流値から約5倍程度の増加を示した。印可電圧の大きさによって成長スピードも異なる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
上記に述べた上半期の研究結果を元に、既に学習法による回路作成のシステム開発に取り組む段階へと進んでいる。これは予定よりも少し早い進度であるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後本研究ではポリマー成長様式のより詳細な特性抽出に進む。具体的には以下の三項目を計画している。 Ⅰ.ゲート構築中のワイヤー成長顕微鏡動画を撮影する。出来れば4本のワイヤーが学習制御されつつ成長していく様子を顕微鏡像で撮影したい。このためには撮影範囲面積に4対の電極を入れる必要があり、電極作製とデザイン、また同一溶液内での独立成長が必要である。 Ⅱ. 多電極間のPEDOT:PSSワイヤー成長を顕微鏡で観察する。ポリマーの成長は大きな偶然性と電流の流れという蓋然性の両方にしはいされており、成長時の動的選択は何らかの計算アルゴリズムに通じるものがある。この可能性を確認するために、複数の電極を溶液に浸漬した系におけるワイヤーの成長の選択性を確認したい。 Ⅲ. 新規材料の入手に向けて共同研究者と相談する。二次元導電性高分子を重合するための分子依頼合成の可能性について、共同研究者と相談する。パテントの問題があり、独自には入手できない分子であるが、これを用いることによってPEDOT:PSS よりもさらに小さなサイズでの重合制御が期待できる。より高いインテグレーションには必要だと考えている。
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Causes of Carryover |
本年度の研究では、これまでに所有していた消耗品を活用することで、多くの研究を進めることが可能であった。よって物品費が予想よりも少なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験装置周辺の実験環境がまだ有機材料を用いる設備として完成していない。本年度までは微量有機溶媒の使用にとどまっていたが、次年度より用いる溶剤の量を増やしたいとかんがえているので、これらの設備作製の材料費としての使用を考えている。
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Research Products
(1 results)