2015 Fiscal Year Research-status Report
高等教育におけるグローバル人材を育成する学習環境デザインに関する研究
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15K12430
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
久保田 賢一 関西大学, 総合情報学部, 教授 (80268325)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 真弓 関西大学, 総合情報学部, 教授 (20268329)
岸 磨貴子 明治大学, 国際日本学部, 特任講師 (80581686)
今野 貴之 明星大学, 教育学部, 助教 (70632602)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 学習環境デザイン / グローバル人材 / 高等教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、高等教育におけるグローバル人材を育成する学習環境をデザインすることである。具体的には、グローバル人材とはそもそもどのような特徴を持つ人材を指すのか、またそれらの人材が高等教育課程における学習環境の中でどのように成長したのか、そのプロセスに注目し、関係する要因から学習環境をデザインする要件を抽出する。 目的達成のために、平成27年度は以下の2点を目標とした。 (1)実際にグローバルなフィールドで活動する、あるいは活動することを目指している人材を選定し、複数回インタビューすること。 (2)TEAの理論枠組みを参照してインタビューを分析し、ライフヒストリーを描くこと。 その結果、以下の成果を得た。1)対象者として8名を選定し、インタビューを実施した。8名の内訳は、国際機関勤務1名、海外ボランティア3名、海外勤務3名(内2名は起業)、海外勤務希望者1名であった。2)対象者へのインタビュー結果をすべて文字化し分析データとした。また、そのデータをTEAに基づいて分析し、それぞれのライフヒストリーを描いた。グローバル人材といっても、その活動やそれぞれの具体的な成長プロセスは多様であることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度は、計画していた対象者選定のためのサンプリングとインタビューの実施を行うことができた。また、インタビューデータを分析し、対象者それぞれのライフヒストリーを描くことができた。しかし、当初計画では初年度に複数回のインタビューを実施することを予定していたが、半数にとどまった。その理由として、当初の想定よりもグローバルなフィールドで活動する対象者のライフヒストリーが多様であり、それぞれの分析に時間がかかったことによる。 しかし、平成27年度終了時点で1回目のインタビュー分析は終了しており、残りのインタビューは平成28年度上半期中に実施する予定であり、遅れは軽微なものと判断し、概ね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、対象者8名の半数に対して2回目のインタビューを実施する。2回目のインタビューでは、研究者の分析結果を対象者に提示し、解釈結果の妥当性を高める作業を行う。これらは、平成28年度上半期中に完遂する。また同時に、それぞれに異なっていた各対象者の分析結果の中から共通項を見出す作業を行う。 平成28年度下半期は、各対象者の分析結果の中から見出した共通項を基に、分担研究者間で高等教育におけるグローバル人材を育成する学習環境についてまとめる。
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Causes of Carryover |
平成27年度中に予定していた調査対象者へのインタビューが、調査対象者の都合により平成28年度へ変更となった。そのため、調査のために計上していた予算(国内旅費)が当初計画通りに執行できず、次年度使用とした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度は、平成27年度に実施したインタビューをもとに、2回目のインタビューを行う。また、平成27年度と平成28年度に取得したデータを分析した結果を、日本教育工学会、日本教育メディア学会、質的心理学会等で報告する。それぞれに必要な出張旅費を計上する。また、各種学会にて論文を投稿、得られた知見を報告書として印刷するための印刷費を計上する。 平成27年度に予定していたインタビューは、平成28年度中に実施される。そのため、調査のために計上したが執行されなかった予算については、平成28年度使用額として、調査のための国内旅費として使用される。
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Research Products
(2 results)