2015 Fiscal Year Research-status Report
新規磁気粒子イメージング法を用いた磁気送達及び磁気温熱療法の最適化システムの開発
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15K12508
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村瀬 研也 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50157773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近江 雅人 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60273645)
木村 敦臣 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70303972)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 磁気粒子イメージング / 磁気送達 / 磁気温熱療法 / 磁性ナノ粒子 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、外部より磁場を印加して磁性ナノ粒子(MNP)と薬剤を内包したリポソーム等を目的の場所に局所集中させる磁気送達法やMNPを発熱体とした温熱療法(磁気温熱療法)が提案され、次世代のがん治療法として注目を集めている。これらの治療法を実用化して有効性を高めるためには、集積したMNPの空間分布を高精度に可視化し、集積量を正確に定量する必要がある。最近、我々はMNPの外部磁場に対する非線形応答性を利用してMNPの空間分布を画像化する磁気粒子イメージング(MPI)法および装置を新規に開発した。本研究課題の目的は、新規に開発したMPI法を用いて磁気送達や磁気温熱療法の効果を最適化するシステムを開発し、その有用性や信頼性をファントムや動物実験によって明らかにすることである。 現有のMPI装置では、送信コイルと受信コイルの中心軸の一致精度を改善する必要がある。そこで、本年度はまず送信コイルと受信コイルの中心軸の一致精度を上げて感度の均一性を改善した。また、信号対雑音比を考慮してコイルの巻き数や長さを最適化した受信コイル(グラジオメータ)を作成した。並行して、ファントム実験を行って次年度以降の研究の基礎データを収集した。まず、種々の濃度に希釈した磁性ナノ粒子(リゾビスト)のサンプルをMPI装置で撮像し、MPI画像の画素値と濃度との関係を種々の条件下で測定した。また、既存の磁気温熱療法用の交番磁場発生装置を用いてサンプルを加温し、赤外線サーモグラフィーを用いて経時的に温度を測定して温度上昇量とMPI画像の画素値との関係を検討した。なお、交番磁場による加温の際には、周波数を100 kHzから1 MHzまで、磁場強度は0.5から3.5 kA/mまで変えて測定し、交番磁場周波数や磁場強度との関係についても詳細に検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
送信コイルと受信コイルの中心軸の一致精度を向上することによって、MPI画像の画質や定量性が大きく向上した。また、ファントム実験の結果、MPI画像の画素値と磁性ナノ粒子の濃度や交番磁場による温度上昇率の間に良好な相関関係があることが判明した。これらの結果は、次年度以降の研究の基礎データとして有用であると考えられる。したがって、本年度の研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究はおおむね順調に進展しているため、次年度以降も研究計画の大幅な変更を行うことなく、当初の研究計画に沿って研究を遂行する。
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Causes of Carryover |
当初、送信コイルと受信コイルを一体化して両コイルの中心軸の一致精度を確保する計画であったが、受信コイルの固定方法を工夫することによって同程度の一致精度を確保できることが判明したため、後者の方法を採用した。したがって、当初予定していた予算よりも低い予算で目的が達成できたため、次年度使用額が「0」より大きくなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
翌年度分として請求した助成金と合わせた予算によって実験の信頼性や再現性を向上させるための追加実験等に使用する計画である。
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Research Products
(6 results)