2016 Fiscal Year Research-status Report
全身性微振動刺激のがん骨転移の成立・進展に対する予防効果の実験的検証
Project/Area Number |
15K12509
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
松本 健志 徳島大学, 大学院理工学研究部, 教授 (30249560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 修一郎 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (40362644)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 骨転移予防 / 医療・福祉 / 微振動 |
Outline of Annual Research Achievements |
全身性微振動(whole body vibration: WBV)のがん骨転移の成立に対する予防効果を検証するため,マウス骨転移モデルを用いた実験を行った. <動物実験> 前年度に作製を試み,がん骨転移の観察に適当と判断した乳がん細胞(4T1,5x10^5 cells)を乳腺に移植したマウス(BALB/c, ♀, 8週齢)を利用し,4T1細胞移殖の翌日より,20分/日,5日/週で3週間のWBV負荷実験を行った.マウスはWBV群(3群)と非WBV群(振動ケージに入れるが,振動は与えない)に分け(各群10匹),WBV群には加速度振幅0.3g,周波数15Hz,45Hz,あるいは90Hzの負荷を与えた. <放射光CT> 3週後に摘出した脛骨試料は固定後,SPring-8放射光施設において単色CT計測をおこなった(分解能2.74μm).現在まで画像再構成,ファントム計測に基づく骨ミネラル情報の抽出,形態解析のための画像処理は完了し,骨転移はあるが骨構造は概ね維持されたていることが確認されている.現在,形態解析に取り組んでいるところである. <生化学分析> WBV終了後に採血し,血清から骨形成マーカー(オステオカルシン),骨吸収マーカー(酒石酸抵抗性酸性フォスファターゼ)をELISAにて測定した.骨形成マーカーには有意差は無かったが,45HzのWBVで高値を示した.一方,骨吸収マーカーは15Hz,90Hzで有意に高値であった.これらのことから,WBVの骨代謝への効果が周波数に依存し,効果の望める特定の周波数レンジの存在が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
画像処理用に準備した高パフォーマンスPCが不調となり,その回復の間,汎用PCを使用せざるを得ず,大量画像データを処理するのに予想外の時間が費やされたため.現在,この問題は解決されている.
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Strategy for Future Research Activity |
放射光CT画像に基づく乳がん移植マウス脛骨のマイクロ形態解析を進めるとともに,同骨組織の研磨試料を作製し,第2高調波発生光を利用したコラーゲンの無染色イメージング,および顕微ラマン分光法による化学成分解析(ミネラル,コラーゲン,成熟性)を行い,骨組織上の骨成分分布マップを作成する.以上の多角的な計測・解析により,WBVの乳がん骨転移における作用を検証する.
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Causes of Carryover |
既に使用済みであるが,3月使用分について一部支払いが完了していないため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
4月に支払い完了予定である.
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