2015 Fiscal Year Research-status Report
体外循環血への青色LED光照射による免疫制御システムの構築
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15K12512
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
大井 文香 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 学術研究員 (40594750)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 忠彦 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 特任助教 (40634275)
岡久 稔也 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 特任教授 (60304515)
曽我部 正弘 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 特任講師 (60732790)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 体外フォトフェレーシス / 医療機器 / 光照射 / LED光 / 体外循環 |
Outline of Annual Research Achievements |
免疫異常を背景に発症してくる疾患は増加傾向にあり、高価な新薬の仕様による医療費増大と強力な免疫抑制に伴う感染症などの副作用が大きな課題となっている。この治療法の一例として、体外フォトフェレーシス(ECP)は1987年に初めて治療抵抗性のT細胞リンパ腫に対する有用性が報告され、現在まで大型装置によるUVA照射を間欠的(週2~3回、4時間)の治療が行われていることが報告されている。この課題を解決するために本研究ではLEDの特性を活かした小型でより効果の期待される免疫治療システムの開発のための基盤技術の構築を目指している。 平成27年度はSDラット体外循環モデルを構築するための条件を抽出した。体外循環血液量(1ml~5ml)、循環時間(30分~3時間)の検討を行った。10~25週齢の正常Sprague Dawley(SD)ラット(体重350g~600g)を対象とした。イソフルラン持続麻酔のもと、抗凝固薬としてヘパリンを体外循環前に200単位静注後、血液循環状態を導いた。循環部位としては、頸静脈、尾静脈、大腿静脈を用い、カテーテルを接続した。4機種の循環用ポンプの条件の抽出、チューブ、カテーテルの材質の適応性、及び、これらの組合せを検討し、定常的な循環状態を導出した。循環中、カテーテル、チューブ、これらの接続部内に、目詰まりは生じなかった。循環実験を行ったラットに対して、循環前後の血液一般検査、白血球分画の計測、LDH値、GOT値を計測した。また、青色LED光、及び、UVA光の照射による循環条件の抽出、UVA照射実験の条件検討も進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
体外における血液循環状態を持続するために数種のポンプを用い条件検討したところ、ポンプ接続部において循環血液に血栓が生じ循環が中断する状態が発生したが、ポンプ及びそのチューブ径、カテーテル径の検討、等、接続方法、駆動条件等の検討により定常的な循環状態を導くことができ、血液体外循環実験を行ったラットは副作用も見られず順調に生存していることを確認できた。この実験条件に基づき光照射の実験を開始した。経費の削減による計画の縮小に対しては、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
健常ラットのほぼ定常的な体外血液循環条件を抽出したので、循環前後の血球検査、酵素活性の測定値を蓄積し、今後の評価の礎とする。本モデルを用いて、正常ラットにおける、血圧、心拍数、等のバイタルサイン、全身性炎症反応、溶血の程度、等、を確認する。これをもとに、循環時青色LED光、及びUVA光照射による効果、及び、影響、安全性を検証する。さらに、DSSモデルラット等において同様の実験を行い、免疫抑制効果、炎症抑制効果、安全性を検証する。
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