2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of novel therapeutics for the preventions of cervical cancer
Project/Area Number |
15K12518
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
塚本 康浩 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (90305657)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | ダチョウ / 抗体 / HPV |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ダチョウ抗体作製技術で抗HPV中和抗体を作製した。これにより、ダチョウ抗体による感染中和の優位性を最大限に発揮させようと考えた。理論的には、性行時にダチョウ抗体を性器内投与(ローションかコンドーム表面への配合による)しておけば、HPVが子宮頸粘膜上皮細胞へ感染する際にウイルス表面にダチョウ抗体が結合し細胞への吸着・感染を抑制出来ると期待した。ダチョウ卵黄を用いることにより、ウイルスをはじめとする病原体に対する抗体の低コスト・大量作製が可能です。本研究では、日本をはじめ世界中で深刻化している子宮頸ガンの発症を予防するものであり、ローションやコンドームの表面に中和抗体を適応させることで、HPVの細胞への感染を物理的に中和するものです。ダチョウ抗体は熱や酸・アルカリに強く製造コストが極めて低いことから大量消費型の製品への適応に優れています。低コスト商品への実用化は、日本での若年層およびHPV感染が濃厚な東南アジアの人々への汎用的な安価な新規療法への提供と、世界的な子宮頸ガンの抑制へとグローバルな貢献に寄与すると期待できる。 まず、HPVのVLPを作製しダチョウに免疫したところ、非常に感度の高い抗体(卵黄からの卵黄抗体IgY)を得ることに成功した。様々な基剤(ローションなど)との混和状態での安定性試験を行った結果、室温で1年間の使用が可能となった(抗体活性の維持)。GLPレベルの安全性試験を行ったところ、経口毒性、皮膚刺激性試験の全てにおいて「問題ない」という結果を得た。今後、実際のHPVウイルスの感染実験モデルにおいて、創薬を目的としたIgYの有効性を検証する必要がある。
|
Research Products
(1 results)