2015 Fiscal Year Research-status Report
「私らしく」産出できるようになるためのウェブ型日本語教材の開発
Project/Area Number |
15K12899
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
小林 ミナ 早稲田大学, 日本語教育研究科, 教授 (70252286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 弘之 北陸先端科学技術大学院大学, 先端領域基礎研究院, 教授 (70286433)
副田 恵理子 藤女子大学, 文学部, 准教授 (90433416)
藤井 清美 金沢工業大学, 基礎教育部, 准教授 (60596633)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 日本語教育 / 話す / 書く / 評価タグ / 学習者の多様性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,「学習者の多様性」を1人ひとりの学習者内の「個別,具体の状況における姿勢,志向性」という視点でとらえ,「多様性」への対応を実現する日本語教育の内容と方法を探索するものである。このような「多様性」への対応,習得は,これまでの日本語教育,言語教育では,教師や学習者の個人的な経験,内省,直感にまかされていた。本研究では「話す」「書く」という産出系2技能の実在データに基づき,産出物の印象評価に関わる要素をボトムアップの手法で抽出し,構造化することを目指す。 話すグループ(話すG)では,印象評価の分析対象となる次のデータを収集した。(1)海外の大学で日本語を学んでいる学習者52名(中級27名、上級25名)の自己紹介動画。 書くグループ(書くG)では,印象評価の分析対象となる次の4種類のデータを収集した。(1)留学生と日本人チューターの間でやりとされた1ヵ月分のLINEのトーク,(2)Facebookのウォールに書き込まれた誕生日メッセージ250通,(3)日本語学習者(初級)が文法シラバスに沿って書いた作文約200編,(4)日本語学習者(上級)が指定されたテーマで書いた作文約500編。 分析グループ(分析G)では,それらのデータに付与するための4種類のタグ(属性,関係性,TPO,評価)のリスト(試行版)を作成している。 実在データの様相は多様であり,想定していた4種類のタグ付けは予想以上に困難を極めている。よって,27年度には予定していた実験データ(ロールプレイ,他言語コンパラブルコーパスなど)の収集は行わず,実在データの収集と分析に注力することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実在データの様相は多様であり,想定していた4種類のタグ付けは予想以上に困難を極めている。よって,27年度には予定していた実験データ(ロールプレイ,他言語コンパラブルコーパスなど)の収集は行わず,実在データの収集と分析に注力することとした。
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Strategy for Future Research Activity |
実在データ,実験データの収集および分析につとめるが,実在データのタグ付け,構造化が予想以上に困難を極めたという事実もまた,挑戦的萌芽研究である本研究プロジェクトにおける重要な研究成果であると考える。よって,計画どおりに進まない場合には,その原因を明らかにすることも怠らず,言語データの実態により接近する方策をとる。
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Causes of Carryover |
実在データの様相は多様であり,想定していた4種類のタグ付けは予想以上に困難を極めている。よって,27年度には予定していた実験データ(ロールプレイ,他言語コンパラブルコーパスなど)の収集は行わず,実在データの収集と分析に注力することとした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度に行わなかった実験データの収集を行う。
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Research Products
(8 results)