2016 Fiscal Year Research-status Report
「私らしく」産出できるようになるためのウェブ型日本語教材の開発
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15K12899
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
小林 ミナ 早稲田大学, 国際学術院(日本語教育研究科), 教授 (70252286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 弘之 北陸先端科学技術大学院大学, グローバルコミュニケーションセンター, 教授 (70286433)
副田 恵理子 藤女子大学, 文学部, 准教授 (90433416)
藤井 清美 金沢工業大学, 基礎教育部, 准教授 (60596633)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 教授法 / カリキュラム / 話す / 書く / バリエーション / 私らしさ / 個性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,「発話状況」「コミュニケーション当事者の関係性」「学習者の個性や気分」に対応した言語教育について,理論,および,実践の二つの側面から考察し,その成果を踏まえた日本語教材の試案を作成,検討することを目的としている。2017年度には,プロジェクト関係者が集まり,5回(非公開4回,公開1回)の研究会を開催し,次のようなタイトルで研究成果を報告し,意見交換を行った。LINEメッセージに見る私らしさ(「ごめんよ」の使用範囲,普通体/丁寧体の使い分け,自称詞の選択),SNSにおけるエモティコンの使用,SNSにおけるエモティコンの印象評定,パラ言語としての文字音声コミュニケーション,電車が止まってしまった状況ーアプリLINEに関するオンライン教材化遺髪,Facebook自己紹介でのわたしらしさー日本語学習者の自己評価,レポート作成過程におけるリソース使用,就活メールの分析,留学生のデジタルデバイス生活の実態,アルバイト先へ連絡する際の具体的状況ー携帯電話でメールとLINEを送る場合,日本語国内外における書く/打つ言語生活の実態把握調査ー「具体的な状況」を「設定」するための調査デザイン,「具体的な状況設定」から出発する日本語ライティング教材の開発,コミュニケーションの文脈依存性と日本語学習教材における問題,「具体的な状況設定」に基づく産出スキルとはどのようなものかーSNSに投稿された料理写真のコメント分析を例にー。研究会での意見交換を踏まえ,引き続き第一次資料の収集を続け,「私らしさ」の観点から媒体,言語表現(エモティコンなどの記号も含む)の選択について研究を進めている。また,言語生活の実態調査については,パイロット調査を2回行い,本調査に向けて仕様の改訂を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画どおり,第一次資料の収集,分析,発表を行っている。予期しない点としては,「学習者の個性/気分」といった個別性の高さ,SNSをはじめとするメディアの発展が,想定した範囲をはるかに越えていた点がある。それらに対応するべく,研究計画を随時見直して臨んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
2017年度は,最終年度として取りまとめを行う。研究計画については,引き続き柔軟に見直しをかけながら,成果を得るように努める。
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Causes of Carryover |
インドネシアでの国際研究大会の発表旅費が,当初予定額を下回ったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初予定どおり,研究および発表を進める。発表機会を増やすことを検討する。
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Research Products
(10 results)