2016 Fiscal Year Annual Research Report
Practice of the teaching of the Buddha for robust robots
Project/Area Number |
15K13114
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
上出 寛子 名古屋大学, 未来社会創造機構, 特任准教授 (90585960)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 道具に対する作法 |
Outline of Annual Research Achievements |
技術開発が先行する中,技術を適応的に用いるための学術的指針としてロボットへの作法を定義し,仏教的実践の一つである二元性一原論を適用することにより,技術とユーザが調和した超ロバストなロボットシステムの実現を目指す.二元性一原論とは,ロバスト性と脆弱性といった対立概念を協調させることで,より程度の高いロバスト性を実現する,高次の次元への認知的変換を説明する仏教理論である.ロボットの物理的ロバスト性だけでなく,ユーザ側の作法が協調的に合一することで超ロバスト性が実現することを,作法を定義した上で心理実験により実証する. 本研究の結果、作法には、人が道具を大切にするという人から道具に対する関わり方(道具に対する扱い)と、道具を使うことにより、物から物質の大切さや周囲への感謝などを学ぶという、道具から人が学ぶという関わり方(道具による成長)の2因子により構成されていることが明らかとなった。また、自分の道具に対する愛着は、2つの作法レベルの高い人の方が有意に高いが、実際に道具をどの程度長持ちさせているかに関しては、道具による成長の因子が重要であることが明らかとなった。大切に扱うという作業のみではなく、物からの学びに気がつけるかどうかが、物と人間との長期的な関係性に重要であることが示唆されたと言える。また、道具に対する扱いと。道具による成長の両方のレベルが高い人は、自分の道具に対して擬人化する傾向が高く、物を人のように扱うことと、道具を扱うスキルや道具から得る学びが関連することも明らかとなった。
|
Research Products
(3 results)