2016 Fiscal Year Annual Research Report
Study of the Probabilistic Interpretation of Quantum Set Theory
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15K13456
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小澤 正直 名古屋大学, 情報学研究科, 特任教授 (40126313)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 量子集合論 / 公理的集合論 / ブール代数値モデル / 量子論理 / 含意結合子 / 移行原理 / オーソモデュラー束 / フォン・ノイマン代数 |
Outline of Annual Research Achievements |
量子論理では,含意結合子の選択に任意性があることが知られている。本研究では,以下の性質を持つ2項演算を一般化含意結合子と呼んで研究した。(i) 結合子の値が結合される2元から生成される部分論理に属する。 (ii) 可換元に対して分配的である。 (iii) ブール代数上では古典的含意と一致する。 直相補束の多項式で定義可能な一般化含意は,ちょうど6種類あることが知られている。本研究では,フォン・ノイマン代数の射影束で定義可能な一般化含意結合子の研究を行なった。竹内によって1981年に導入された2項演算と多項式的定義可能な一般化含意を利用して,連続パラメータを持つ一般化含意含意接続子の族を定義し,そのうちに実際に多項式定義可能ではないもののパラメータの範囲を決定した。これらを含む一般化含意による量子集合論の解釈で,ZFCの定理がすべて成立する論理はブール代数論理に限ることを証明した。次に,量子集合論において任意の2項演算を含意とする解釈を定義し,その解釈でZFC 集合論の定理がすべて成立するためには,上記 (iii) の性質が必要であることを証明し, 特に,多項式含意による解釈でZFC 集合論の定理がすべて成立するものは,ちょうど上記の6種類の論理結合子に限られることを証明した。従来の量子集合論では,含意接続子として佐々木アローが選ばれていたが,研究期間全体を通じて実施した研究の成果により,それを,佐々木アロー,対偶的佐々木アロー,相関論理的含意などの一般化含意に拡張することが可能であることが示され,また,それらの含意による量子物理量の順序関係の解釈の差異が明らかにされるなど,量子場理論を含む量子論への量子集合論の応用に関して,より柔軟なとり扱いが可能になった。
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Research Products
(4 results)