2016 Fiscal Year Annual Research Report
Nano-spectroscopic elucidation of prebiotic chemical reactions on mineral surfaces
Project/Area Number |
15K13601
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
原 正彦 東京工業大学, 物質理工学院, 教授 (50181003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 隆章 東京工業大学, 物質理工学院, 助教 (90600651)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 化学進化 / ラマン分光法 |
Outline of Annual Research Achievements |
原始地球環境下に豊富に存在していた二酸化チタン表面に生体低分子を修飾し、その吸着状態をラマン分光学的にナノスケール分析する手法を確立した。具体的には、二酸化チタンナノ粒子表面にグリシンやシステインなどのアミノ酸を散布しラマンスペクトル測定を行った。直径20nmのナノ粒子を用いた場合はアミノ酸固有のラマンバンドはスペクトル中に観察されなかったが、直径200nmのナノ粒子を用いた場合はそれぞれのアミノ酸由来のラマンバンドが強く観測された。これは、直径200nmのナノ粒子が可視光域において電気双極子モードを有しているため、ラマン散乱励起用のレーザー光と電磁場共鳴することによって表面に吸着したラマン散乱が増強されたことに起因する。また、二酸化チタン表面に吸着したアミノ酸のラマンスペクトルは、バルク状のアミノ酸のそれとはピーク位置やピーク強度比が異なることがわかった。この現象は貴金属ナノ構造表面で発現するラマン散乱の化学増強効果に対応するものであり、第一原理計算等を駆使して量子化学スペクトル解析を行えば、二酸化チタン表面における分子吸着状態をナノ分光学的に解析できることが示された。 さらに、昨年度に引き続き、貴金属ナノ構造表面に生体低分子を修飾してレーザー光を照射すると、一定レーザーパワー以上であると貴金属ナノ構造表面での光発熱効果により分子が金属表面から容易に熱脱離してしまうこともラマンスペクトル測定によりわかった。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Formation and Structure of Self-Assembled Monolayers by Adsorption of Octaneselenocyanate on Au(111)2016
Author(s)
Han, S., Kang, H., Park, J.B., Hayashi, T., Hara, M., Noh, J.
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Journal Title
J. Nanosci. Nanotech.
Volume: 16
Pages: 8610-8613
DOI
Peer Reviewed
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